野田首相の「原発事故収束」宣言を弾劾する!
12月16日、野田首相が福島第一原発は「冷温停止状態」を達成し、事故収束に向けた工程表「ステップ2」が完了できたとして「事故そのものは収束に至った」と宣言した。
12月15日、札付きの御用学者でつくる「低線量被曝のリスクに関するワーキンググループ」が「住民が生活できる積算放射線量の上限は年間20ミリシーベルト。健康には問題ない」との報告書を提出。それを受ける形で、野田首相は、「冷温停止状態」の達成と、「事故収束」の工程表「ステップ2」が完了したとして「事故そのものは収束に至った」と宣言した。そして、この二つの大反動を受けて郡山集団疎開裁判の全面却下が強行された。さらに被曝地を3地区に再編し「20㍉シーベルト以下は安全、来春には帰還を」なる方針を打ち出した。こんなことが許されていいのか! 怒りを爆発させて福島と共に闘おう。
「収束」など誰が見ても全くデタラメだ。しかも事故原因が「地震による配管損傷」であることが明らかになり、福島のみならず今や全原発がいつ起こるかわからない地震による原発事故・爆発にさらされているのだ。福島原発自身は、「臨界」や次の水素爆発を抑えているだけにすぎないのだ。
この「収束宣言」は、単なるごまかしではない。被災地から、原発労働者から怒りがごうごうと爆発している。これこそ、「地上にすえた原爆」が史上最悪の規模で爆発し、今なお大量の放射能が放出しているなかで、汚染地域に強制的に労働者人民・住民をおいやり、「緩慢な死」にむかわせるとてつもなく極悪な「緩やかな殺人行為」といって過言ではない。天地がひっくりかえっても、到底認めがたい「収束宣言」を暴力的に強制するという階級圧殺・分断の大攻撃、反原発意識や反原発運動をねじ伏せる大攻撃、大反動である。
この間、郡山市中心部のほとんどが、チェルノブイリ事故では強制避難地域に相当する5ミリシーベルト以上の高線量になっていることが明らかになっている(「ふくしま集団疎開裁判」での矢ヶ崎・琉球大名誉教授の「意見書」)。いまやこのように原発再稼働と原発輸出攻撃が、新自由主義の絶望的凶暴化として、進行しているのである。
本当に怒りに耐えない!あくまでも原発の再稼働をねらい、民主党政権の「成長戦略」の柱である「原発輸出」推進のため、「収束」状態にしたい のだ。原子炉建屋は、毎時1・6シーベルトの放射線量で近づくこともできない、溶融した核燃料がどういう状態かも分からない。冷却に使った汚染水が増え続 け、海に放出され続けている。福島では高線量の中で、子どもたちをはじめ膨大な人々が内部被爆を強制されている。幼児向けの粉ミルクからも放射性セシウムが検 出された。被曝労働を強制されながら事故処理に従事している労働者がいる。子どもたちの命や、福島の労働者・農漁民の生活など一切省みようとしない野田政権は打倒あるのみだ。
放射能汚染は、拡大している。杉並・堀之内小学校での高線量でも明らかだ。日本全体が「建屋内」状態なのだ。「低線量被曝は大丈夫」と大嘘をつき、除染したから汚染地域への帰還を強制する。御用学者やマスコミを総動員して「安全だ、影響ない」とデマを振りまく。なにが「収束」だ。本当に腐りきった連中だ!この腐敗した連中の一角に日本労働運動のナショナルセンター連合がいる。「原発は必要。資本と闘うな。国際競争に勝とう、そのためにはこの国を守るろう」、 と民主党・野田政権を支えている。
いまこそ労働者・労働運動が根底からの怒りに燃えて決起するときだ。福島の女たちは、再び経産省前とつきとおかの座り込みに入った。福島では原発立地町村を含む8町村の住民が「東電の責任追及と完全賠償を求める集会を開いている。福島の親子が「原発事故賠償指針の『一律同額』に怒り」を燃やし「自主避難の実費を賠償」を求めて、原賠審を弾劾して立ち上がってい る。 12・10日比谷野音の「さよなら原発」集会には、5500人が集まり、原発なくせ!のデモを行った。福島の怒りとひとつになって反原発・反失業の大運動をつくりだそう。JR職場や学校現場、自治体現場から被曝労働に反対する闘いが始まっている。放射能汚染との闘いが地域から始まっている。非正規職撤廃の闘いも西部ユニオン鈴コン分会や郵政非正規ユニオンの闘い最先端に本格的に開始された。新自由主義と真っ向から対決する労働運動が始まった。労働者民衆の力で腐りきった社会を根底から変えていこう。大恐慌の下での「国家の財政破綻」「緊縮財政」「公務員首切り、賃下げ」大攻撃に対して、世界中で労働者・青年の「生き抜くぞ!」のゼネストやデモが爆発している。労働者階級には社会を変える力がある。来春、3・11さよなら原発、福島・郡山の大集会を成功させ、原発再稼働・輸出と消費大増税の野田政権を打倒しよう!
;貼り付け記事=12/17東京新聞。写真上:12・10さよなら原発集会。中:呼びかけ人を先頭にデモ。下:ナゼンのデモ隊。
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