解雇撤回!東京西部ユニオンの画期的勝利
一般合同労働組合東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会は、3年前に不当解雇されていた分会役員3人の解雇撤回・原職復帰と、3ヶ月の非正規雇用契約を実質的に期間の定めのない雇用契約(正規化!)とする合意を勝ちとりました。
鈴木コンクリート工業分会は、東京西部ユニオン・吉本委員長による水面下の粘り強い組合結成に向けた活動の結果、全員3ヶ月契約=非正規の生コン・ミキサー車運転手15人を組織した労働組合です。始業点検の励行、生コン過積載の拒否、昼休み1時間の完全取得、賃上げ要求など、労働組合としてしごくあたりまえの要求と闘いを実践する団結体でした。しかし会社は、こうしたまっとうな労働組合でさえその存在を認めず、卑劣な組織破壊攻撃をしかけてきました。
非正規労働者も団結して闘えば勝利できる
しかし、この攻撃をのりこえて団結が強化されたのは、会社の想定外のことでした。事ここに至って会社は、組合破壊のためには分会役員を職場から排除するしかないと考え、ストライキに関わる処分を理由として3人を雇い止め=解雇しました。
それから3年…。解雇された3人と職場に残った2人は、様々な困難に直面しながらも団結を守りぬき、職場闘争・社前闘争、労働委員会・裁判闘争を闘いつつ、支援連帯・共闘会議を組織して闘いの輪を広げていき、そして遂に勝利をつかんだのです。
9・30東京高裁和解調書(解雇撤回・現職復帰)の要旨
1 (解雇撤回)会社は、3人への2011年12月の各解雇(雇い止め)を撤回し、雇用契約上の地位にあることを確認する。復帰までの賃金を払う。
2 (現職復帰)会社は、11月17日から3人を解雇以前と同一条件で雇用し、3人は現に就労する。
3 (実質的無期雇用)会社と3人は、この現職復帰の雇用契約は、3人らが雇用契約の満了後に更新を期待することにつき合理的理由がある状態に至っている旨裁判所に認定されたものであることを、互いに確認のうえ、了解する。
4 (不当労働行為をしない)会社は、3人らに対し、東豊商事自らまたは鈴木コンクリート工業株式会社をして、法令に定められる不当労働行為に当たると認められる行為を一切行うことのないように最大限努めることを確約する。
▲多くの人が当初は完全勝利の「高裁和解」に驚愕した。現職復帰に加え「実質的無期雇用」さらに「不当労働行為をしない」は、解雇から3年、分会結成から5年半の大勝利である。当初一番「驚いた」のが当該の分会だ。
▲4月16日の地裁勝利判決、その後の会社の悪あがきは会社の命取りになった。職場の労働者に踏み絵を踏ませる不当労働行為にも、職場に残る分会組合員は怒りふんばった。
▲共闘の拡大は、動労総連合を軸とした国鉄闘争を心棒に、交運建設産別で小竹労組の闘いと相乗的に拡大してきた。鈴木費本だけではすまない情勢をつくって追いつめた。
▲何より安倍の戦争政治への反撃~8・17日比谷大集会をよびかける先頭に立ったことも大きい。
▲上記「和解条項」で決定的なのは、1、2は当然だが、3、4の獲得だ。3(実質無期雇用)4(不当労働行為はしない)は、血と汗の結晶である。この地平を広げたい。
▲故田口組合員解雇の労働委員会闘争は続く。組織拡大・拠点拡大を土台に、今後も闘い続けることがご支援への御礼です。
非正規というきわめて不安定な雇用形態にある労働者でも、労働組合に結集して団結を守って闘いぬけば、資本のどんな卑劣な攻撃もはね返すことができます。鈴木コンクリート工業分会の姿は、それを鮮明にさせています。彼らはこの勝利に一瞬もとどまってはいません。職場全体を再度労働組合に獲得するとともに、東京全体の生コン労働者を組織する闘いに突入しています。東京西部ユニオンの労働組合としての闘いも、これからが本格的な勝負です。
この鈴コンの勝利をあらゆる職場に広げましょう!
戦争と民営化に反対する11・2全国労働者集会に集まりましょう!
11月2日(日)正午~ 日比谷野外音楽堂
誰でも参加できます。チケット(500円)は都政を革新する会に問い合わせください。
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TEL 03‐3220‐7473
北島邦彦(「すぎなみ未来BOX」No.144)
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