総選挙と都知事選について

 野田政権は衆院を解散し(11月16日解散-12月5日告示)12月16日を投開票とする総選挙に突入しました。また、石原の都政を放り投げるような知事辞任によって都知事選(告示11月29日告示)も同日投開票となりました。
 

 今度の選挙で私たち労働者民衆取るべき立場をハッキリさせなければなりません。

 第1に、総選挙について。
①野田政権の解散・総選挙は大恐慌と昨年3・11の日本の体制危機、政治支配の危機に追いつめられた結果です。1%に満たない大企業や富裕層のために99%の労働者民衆に一切の犠牲を押しつけ、さらに、東北大震災と福島原発事故を開き直り、東北とりわけ福島の人々を切り捨て、原発再稼働に突き進んでいる。しかし、これへの怒りが官邸前、国会前をとりまく20万、全国100万の大衆的行動として爆発していて、野田政権をぐらぐらに揺さぶっています。「俺たちが政治の主人公だ。国会は俺たちに何かいいことを決めたのか、全然違う、原発を見ろ、消費税をみろ、オスプレイを見ろ」と叫んで立ち上がっています。福島の佐藤幸子さん(子どもたちを福島から守る福島ネットワーク代表)は「(各党は)子どもたちを県外に疎開させるような活動に理解を示してこなかった。白紙投票で抗議の意志を示すしかないのか」と弾劾しています。
衆議院解散当日、国会行動に参加していた人がTVインタビューで「今回の選挙ほど投票したくないと思う選挙はない」と語っています。この声こそ「民意」です。

②今回の総選挙は、いわゆる第3極をめぐって諸小政党の離合集散がめまぐるしく行われています。反原発がその焦点になっています。しかし、これは大きくは、上記のような大衆の怒りを「国会の中に押さえ込もう」という目論みに他なりません。「当面は原発維持、再稼働」はすべての諸党に共通です。さらに、小沢をはじめほとんどの政党が「改憲、安保強化、領土を守れ」では一致しています。「戦争も辞さず」という石原、「自衛隊を国防軍に(海外派兵できる軍隊に)」叫んでいます。このような政党や国会の中に私たち労働者民衆の生きる道はありません。

③「選挙の一票」に自らの未来を託するのではなく、官邸前の反原発のうねり、福島の怒りと結んで、職場、地域、大学のキャンパス、街頭から野田、安倍、石原、橋下を共にうち倒す、それが核心的な闘いではないでしょうか。

 第2に、都知事選について。

①都知事選への労働者民衆の取るべきい立場は徹底して石原都政を弾劾打倒する立場しかありません。これに関してまず連合が「猪瀬副知事の知事選出馬支持」を打ち出したことを怒りをこめて弾劾します。石原都政13年は徹底した福祉切り捨て、労働組合破壊・外注化・非正規職化、そして、原発の維持強化であり(核武装を公然と主張)、尖閣諸島を都の領有にするとして中国との対立をあおり戦争も辞さずといっている。去る11月11日の首都100万の決起をうたった集会を「会場の使用不許可」をもってデモを禁止に追い込んだのは猪瀬副知事です。連合は総選挙で誰よりもさきに民主党と政策協定を結びました。そして知事選では民主党でもなく石原都政の後継者・猪瀬を何のためらいもなく支持したのです。

②都知事選でも反原発の流れを取り込もうという動きがあります。しかし、「当面、再稼働やむなし」が基本であって認めることはできません。「国会や官邸をとりまく10万、20万の大衆の怒りを100万に」、特に連合などに支配されている労働組合・労働運動を新自由主義と対決できる労働運動へと変革する動労千葉をはじめとする力をあらゆる所に創り出し「俺たちこそ主人公」の気概をもって社会を変える根本的な力を創り出す、それが、総選挙、都知事選をつらぬく道ではないかと思います。                                                                   

                              都政を革新する会 長谷川英憲 

                                           11月29日 

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