山田区長の保育園の「公設民営化」ってなに?
杉並区は、2002年4月22日、国の「待機児童0作戦」を受け区内の待機児童をなくし、また保育の多様な需要に応えていくとして、「杉並区における保育サービスのあり方−考え方の整理と今後の方向性について− 杉並区保育サービス提供のあり方検討会中間報告」(「中間報告」)を出しました。
「待機児童0作戦」ってなあに?
「認可保育所に入所申請をしていて、入所資格はあるが入所できない児童」=待機児童は全国で3万5,144人
(昨年4月1日現在 同年12月26日厚生労働省発表)、杉並区で209人(昨年10月1日現在)。また、延長保育や、一時保育など多様な保育需要も高まっています。 そこで国や区が、これに応えるためにと打ち出した政策が「待機児童0作戦」!
山田区長は一昨年策定した「スマートすぎなみ」という行革計画で、保育所を「公設民営」、「民設民営」でやろうと言い出しました。
この方針に基づき、今回の「中間報告」も「公設民営化」を打ち出したのです。「中間報告」は今後の保育需要の高まりに対し、保育所の建物・設備は区が用意して、保育園を民間に暫時、委託(公設民営)あるいは、譲与して民営化(民設民営)するとしています。
委託化すれば安上がりに済むし、民営化すれば区は保育所に責任を負わなくて済むからです。
さらに公立保育園においても
○保育料の値上げ(16年4 月を目途に保育料の改定を図る)
○ 保育士を削減するために ・職員配置基準(園児と保育士の比率)の見直しを行う
・パートなど短時間保育士の導入などをうたっています。
○また、「直接契約制度」の導入について積極的な姿勢を示しています。
用語解説
認可保育所=国が定めた児童福祉施設最低基準を満たし、都道府県から認可された正式な保育所。国及び都道府県から運営費の負担がでる。認可外は国からの負担はない。
延長保育=11時間を超えて実施される保育
一時保育=保育所に入所していない児童を、保護者の一時的な理由で一時的に保育する。
児童福祉施設最低基準=保育所など児童福祉施設が、設備、施設や、必置職員数などの最低満たさなければならない基準を定めたもの
直接契約制度?
直接補助方式、または、バウチャー制度とも言います。
現在、認可保育所は、民間保育所であっても、保護者と保育所が直接契約しているのではありません。保護者はあくまでも区市町村に申し込みを行っているのです。そして、保育の費用はあくまで国、都道府県、区市町村が負担することとなっています。保護者の払う保育料は、その費用の一部を徴収するという仕組みです(保護者の一部負担といっても、現実は高額になっていますが、法律上はあくまでも今述べた仕組みになっています)。現在の制度では、保育が必要な子どもには行政が保育所への入所を行い、保育を保証する義務があるからです。
直接契約制度とは、こうした仕組み・制度をなくし、保護者に直接補助を出し、保護者が保育所と直接契約するという仕組みにするということです。
直接契約になるとどうなるの?
○ 国、都道府県、区市町村が保育を保障する責任がなくなる。
○ したがって、公立保育園もしだいになくなる!
○ 保育料が保育所の自由設定になる。
現在の保育料は、「家計に与える影響を考慮して」、区市町村長が決めますが、直接契約になると、所得への考慮はなくなり、各保育所が保育サービスの内容で料金を決めます。
「保護者に補助を出す」といっていますが、国庫負担を減らすことに目的がありますから、現在より保護者の負担が増すのは火を見るよりも明らかです。
区や国の「待機児0作戦」保育所が危ない!
「公設民営」、「民設民営」も、「直接契約制」も全て国が「待機児童0作戦」で言っていることです。国は保育所を民間営利企業にもやらせようとしています。杉並区山田区長の保育政策も国の政策と同じものです。
「待機児童0作戦」が言っていることは、これにとどまりません。以下のようなことを言っています。
○職員はより少なく、設備は不十分で、施設は狭く
定員の弾力化、設置基準の緩和を掲げています。保育所は、設備や職員数に応じて児童定員がきまっていますが、これを緩和しようということです。少ない職員、不十分な設備、せまい施設でより多くの子どもたちをあずかろうというのです。
国は、既に、近くに公園等があれば園庭がない保育所も認可しはじめています。また、東京都は、認可保育所基準に満たない保育所に、認証制度という独自の制度を設けて補助を行っていますが、この認証保育園に対しては園庭も近くに公園がなくてもよいとしています。
○パートや非常勤の保育士を増やす
現在、各保育所における短時間勤務保育士は保育士定数の2割以内としていますが、この規制を緩和する、と言っています。
○ 給食はセンター方式で
現在保育園の給食は、園内に厨房を設けそこで調理することが原則となっていますが、「食事を施設外で調理して搬入する選択肢を認めることの可否を含め、引き続き緩和を検討する」としています。
○自治体に上乗せをやめさせる
国が定めた保育所基準は低く、多くの自治体は独自にお金をだして基準の上乗せを行っていますが、これをやめろといっています。
国や区はなんでこんなこといっているの?
行政が保育所への責任を放棄するためです。保育所の運営にはとてもお金がかかります。そのうえもうけもあまりありません。行政の補助をへらし、またはなくして、民間にやらせるには、運営経費を少なくすることが必要です。更に、営利企業にもやらせるとなると、もうけを保障しなければなりません。だから、保育士を減らす、賃金の安い非常勤保育士を増やす、設備基準を緩和する、給食もセンター方式にするといっているのです。
建物は行政が提供するというのも、建物の設置も民間にやらせると更に経費がかさんでやるところがなくなってしまうからです。「自治体が独自の補助を行うな」といっているのも、公立保育園の水準が高くては、民間保育園にみんなが行かなくなってしまうからというのが理由です。
池袋の「ちびっこ保育園」や神奈川県大和市の「スマイルマム大和ルーム」など、営利を目的とした民間企業による保育園では、園児の死亡事故さえ起こっています。
今、保育園が危ない! お母さん、お父さん、山田区長の「公設民営化」に反対して立ち上がりましょう!私たちも共に考え行動します!
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