消費者と商店の怒りで継続審議に
11月8日の区議会区民生活委員会で、レジ袋税条例案が傍聴席の多数の注視の中で、6時間に渡る議論の末継続審議となり、11月定例会での成立は難しくなりました。区は法定外目的税で独自に税金を課すに当たり、レジ袋が大型店や小売店でどの程度の量が使われているのか、施行されたらどのような効果が出るのか実態調査もせず、都の推計を頼りに誇大な宣伝をしてきたことが判明したのです。条例案は憲法違反の恐れさえある欠陥税制です。新税で高齢者や零細商店がどれほど負担を強いられるか考えられていません。環境対策に名を借りてマスコミを使い、人気取りが目的の山田区長の強引なやり方に、商店や消費者から怒りが沸き上がっています。
大衆課税と中小零細商店潰しの悪税
地元商店を親しみ買い物に出る人々にとって、5円の課税は大きなものです。例え買い物袋を持参しても豆腐一つを袋に入れることは商店側のサービスで、消費税5%に加えレジ袋税5円を要求することはできません。不況下で大型店の乱立で、息絶え絶えの区内小売り店にとっては致命的です。徴収する客との対応、毎日レジ袋の数を記入し納税手続きを強いられ、しかも記入漏れで収めなかった場合には5万円の罰則が規定されています。 10月30日の杉並区商店会連合会理事会の採決結果から、区は商店側の理解を得られたと言います。加盟商店会95の半分以下の出席、わずか23商店会長の賛成で理解を得られたとは言えません。未加盟商店街51団体は手紙で連絡を受けただけで説明すらないとのことです。レジ袋の使用頻度は大型店やスーパー、コンビ二が7割であり、こうした店舗への指導でレジ袋抑制の目的は大半できるはずです。区境対策や地元商店街対策で出されたポイントカード(エコシール)も、効果がないことは実例からも示されています。
レジ袋税でゴミの減量は期待できない
プラスティックの大量ゴミによる環境への負荷が問題になって久しくなります。山田区長は広報で「全国で280億枚のレジ袋……区内では1億6900万枚が使用されゴミは1500トンから1700トンにおよび年間1億円の処理費」と宣伝し、レジ袋税の必要性を訴えました。質疑の中で、区長の計算はレジ袋一枚当たり10グラムとなり、多用されるコンビの袋は2〜3グラムで実際のゴミの量は区長の言う2分の1から3分の1でしかないことが分かりました。レジ袋税を課す消費者の家庭系ゴミは3割であることから、都革新の試算で期待できる効果は200トンから300トン程度の減量でしかありません。 区長は大量生産・大量消費抑制の切り札としてレジ袋税を掲げています。しかしゴミの抑制が進まないのは、国が住民の生命・健康を守る立場ではなく廃棄物処理施設を作りやすくするためにのみ法改正を行ってきたからです。また事業者の生産責任を問わないでゴミ・リサイクル問題を消費者の責任にしてきたためです。欧米のように商品メーカーの大量生産システムの中で処理責任を課し生産段階で規制することが必要なのです。1995年制定された「容器包装リサイクル法」はきわめて不十分であり、減量化の目標値もなく、事業者責任があいまいで、自治体に業務と財政負担を押しつけるものとなっています。
山田区長のレジ袋税は問題の解決を消費者と商店主に押しつけ、その意識変革であたかもゴミ問題が解決するかのような幻想をあおり、行政責任を回避するためのもので許すことはできません。
「とっても取らなくてもいい」欠陥税制
区の広報の「QandA」で、「税を払ってくれない消費者がいた場合、商業者が立て替えなくてもいい」と答え、取っても取らなくてもよいというのです。税を収めない客には売るなというのか、レジ袋を渡すなということなのか、レジ袋を渡しても税を取らなくてもよいというのか実にあいまいです。こんなあいまいな制度が税と言えるのでしょうか。 1.6グラムの小袋も、スーパーやクリーニング店で使う12グラムの大袋も同じ5円という不公平さ。取っ手のついた袋は課税、同じ塩化ビニールの材質でも手提げのないものは非課税。条例によれば「事務所、事業所における商品の譲渡において課すもの」であり、宅配や生協の共同購入には課すことができないという不公平さ、全くの欠陥税制です。 「レジ袋を減らすことが目的、その効果がみられれば施行しなくてもよい。」と区は答えています。徴税とは、法律を根拠に行政が強制的に住民の財産の一部を侵すことのできる行為であり、その目的は限定されなくてはなりません。「啓蒙のため」などということが徴税目的として許されるはずがありません。また、「消費者、事業者や景気動向を見ながら、またレジ袋の抑制、買い物袋持参の推移を見てから実施するため」として実施時期を明記しないのは、租税法定主義を明記した憲法違反の疑いがあります。
消費者と商店街が力を合わせ環境を守ろう
この条例施行にエコシールなどの事業費含め8400万円をかける事になります。この多額の予算を使わずとも、買い物袋を配布してキャンペーンをおこなったり、レジ袋のリサイクルを奨励することなど方法はいくらでもあるはずです。初年度は20%の削減を目標としていますが、先の都革新の試算では40トンからせいぜい60トンの減量にしかなりません。分別回収やリサイクル運動など清掃労働者と区民の努力により、この1年間で4774トンのゴミが減量されています。こうした努力がゴミをなくす最大の力です。わずかな減量のための徴税コストや区民の負担を考えれば費用対効果の点でも疑問です。
与党の一部消費者団体の支持を得た区長は、消費者が味方についていると思い上がり、商店を敵にまわしても実施するとうそぶいています。これまでレジ袋のリサイクルや買い物袋運動をすでに取り組んできた原則的な消費者運動は、消費者に責任を押しつけるようなゴミの有料化や環境税をかけることには反対しています。都政を革新する会は消費者と商店街を結び、まれに見る悪税・レジ袋税の廃案まで闘います。ともに頑張りましょう。 |