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報復戦争と有事立法に道をひらく

「同時多発テロ事件に関する決議」に反対です

都政を革新する会

 前杉並区議会議員 けしば誠一 / 杉並区議会議員 新城せつこ / 事務局長 北島くにひこ

 9月11日、米国防総省と金融中枢への同時多発ゲリラ戦争が敢行され、5000人を越える膨大な流血と破壊がもたらされました。ブッシュ政権は、これをイスラム原理主義のテロと断定、指導者が潜伏するとされているアフガンへの軍事報復を宣言しています。NATOに集団的自衛権を初めて発動させ、報復戦争に協力しない中東国家はテロ支援国とみなし全面攻撃すると脅し、刻一刻と第三次世界大戦の危機を深めています。
 こうした中で、9月18日衆院外務委員会は、「早急にわが国の危機管理体制の充実強化を図ることにより、国際社会からテロを根絶すべく努力すべきだ」とする決議を賛成多数で採択しました。政府自民党はこのゲリラ事件をきっかけに、アメリカの報復戦争に自衛隊を動員し、既成事実を作って有事法制と改憲への道を一気に開こうとしているのです。その世論作りのために、自治体でも決議をあげる方針を固め、葛飾区、北区、足立区に続き、杉並区議会でも、9月21日本会議で、自民・公明の提案で、「同時多発テロ事件に関する決議」をあげようとしています。

 テロの原因はアメリカが進めてきた民族抑圧と戦争政策

 決議案では、今回の同時多発テロは、「その規模と凶悪さの点で、史上例のない最悪の事件」と表現しています。しかし、アジア・アラブ・中東などの被抑圧民族が、アメリカによる帝国主義的石油支配のために、迫害され、差別され、くり返された侵略戦争によってどれほど多くの命が奪われてきたか考えようともしていないのです。1991年の湾岸戦争では、アメリカのハイテク兵器の実験場とされ、25万人の人々が虐殺されました。
 ブッシュ政権になってさらにむき出しとなり、国連での「イスラエルによる67年占領地の返還」の決議をアメリカのみが拒否権を発動して妨害、中東和平交渉を中断させ、アメリカが供与した最新兵器を使ってパレスチナ自治区への軍事侵攻をくり返してきました。ムスタファPFLP議長を暗殺し、ヨルダン川西岸を戦車で制圧し、パレスチナ人民が石を投げれば銃殺し、自爆テロに訴えればミサイルで大量虐殺を加え、800人もの虐殺を強行してきました。このようにアラブ・中東人民を抑圧し虐殺し、中東の石油を独占的に支配してきたアメリカに、平和や民主主義などを語る資格はありません。地球温暖化防止の京都議定書からの離脱、弾道弾迎撃ミサイル制限条約の破棄、包括的核実験禁止条約からの離脱声明など、アメリカのみが生き残ればいいとする思い上がった姿勢を取り続けてます。
 世界最強の武力で身を固め、不正義の暴力をほしいままにしながら、自分の国だけが平和と繁栄を得るなどということがまかり通っていいはずがありません。今回の事件が生み出したおびただしい犠牲の責めは、アメリカ政府とブッシュ大統領がおわなければなりません。その責任を問うこともない一方的な「テロ根絶」決議は、到底認められません。

 アメリカの軍事報復、アフガン・中東侵略戦争絶対反対

 ブッシュ政権は報復を口実に、アフガン・中東に対する「その規模と凶悪さの点で、史上例のない最悪の」侵略戦争を発動しようとしています。ブッシュ大統領は、「テロリストと彼らをかくまう勢力とを区別しないで」と脅し、戦術核兵器の使用を含む全面戦争を決断しています。すでに、インド洋に向かい沖縄から、岩国・横須賀・佐世保米軍基地からおびただしい艦船が出動しています。
 決議案では、「今回の事件で、多くの尊い人命が失われたこと」や「アメリカ合衆国及び犠牲となられた…人々」について語りながら、始まろうとする報復戦争で何十倍ものアフガン・アラブの人々の命が奪われようとしていることについては語りません。「暴力によって平和な国際社会の基盤を覆そうとするテロの根絶」を訴えながら、戦争という最大の暴力の行使については容認しています。そうであればこの決議案は、ブッシュ政権の報復戦争を正当化にするものとならざるをえないのです。

 自衛隊法改悪、有事立法・改憲攻撃に反対しよう

 小泉政権は、ブッシュ大統領の報復宣言を真っ先に支持し、全面的な協力を約束しました。湾岸戦争では、金を出しただけで西側世界では何一つ評価されなかったことをあげ、今回は人的貢献すなわち自衛隊の戦争参加を実現することを決断したのです。そのために、9月27日から始まる臨時国会で自衛隊法を改定し、自衛隊の武器使用にフリーハンドを与えようとしています。さらに、日米安保新ガイドラインに基づく「後方支援」を発動できるように新規立法をも準備し、1月の通常国会では有事法制の制定を指示しました。今回の決議案は、平和とか民主主義を語りながら、小泉内閣が憲法を否定し、有事立法によって民主主義を奪う戦争国家への転換をはかろうとすることに手をかそうとするものです。

 今こそアラブ人民と連帯し、アメリカの労働者民衆と手をつなぎ、国際反戦闘争を巻き起こし、第三次世界大戦を阻もう

 今回の反米ゲリラ事件による5000人を超える犠牲者のほとんどが、アメリカの労働者民衆であり、また日本から海外派遣されている人々がいたことに、心が痛んでやみません。本来こうした人々は、アラブ人民とともに、平和を願うべき存在でした。この悲しむべき現状は、かつてベトナム反戦闘争の時と異なり、アメリカやヨーロッパ、日本に戦争に反対する労働者民衆の運動が、この十数年の間見る影もない現状への抑圧されてきた民族からの不信や絶望がもたらしたものといえます。
 さらに、この事件を契機にしてアメリカや全世界で、アラブの人々への迫害や虐殺行為が始まっています。この決議は、こうした流れを一層強めるものであり、その結果は、国家と民族の悲惨な戦争をひきおこし、第三次世界大戦への道をも開くものとならざるを得ません。
 いま、戦後最大の戦争の危機に際して、アメリカでふきあれる愛国主義と排外主義の中でも、ひとりの米下院議員が報復戦争に反対し、ニューヨークでは150名の勇気ある反戦デモがはじまりました。さらに、2万人のコンサートのなかでのマドンナの報復戦争反対の声明も紹介されています。このような兆し中に、9月11日のゲリラ事件を超える真の平和への希望がかいまみえています。
 都政を革新する会は、9・11をくり返さないためにも今回の決議案に反対します。
 いまこそ全世界の人々が、自国の戦争に反対し、アラブ人民をはじめとする被抑圧民族と連帯し、アメリカ帝国主義本国でリストラや労働強化に苦しむ労働者民衆と手を結ぶ国際反戦闘争にたちあがることを呼びかけるものです。ともに闘いましょう。

2001年9月20日

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