山田区長が広報で「阪神・淡路大震災の被害は自衛隊の派遣が遅れたため」と強弁
8月1日付広報すぎなみの「いいメール」で山田区長が、区の防災訓練に「今年から初めて自衛隊が訓練に参加します」と発表しているのをご存じですか。議会にもはからない区長の独断によるものです。
そこでは「もし阪神・淡路大震災で、もっと早く自衛隊による支援活動が行われていれば、あれほどまでの多くの尊い人命が失われなかった」「初動遅れの原因は、自衛隊の災害派遣要請が遅れたこと」と、自衛隊が人命救助の切り札であったかのように得々と語っています。阪神大震災のおりには、救助に役立ったのは消防レスキュー隊でした。その初動が遅れたのは、地元自治体の初動体制がなかったことであり、その後それぞれの自治体でその体制を築いてきたところです。自衛隊は、初動が遅れたどころか、真っ先に偵察行動に動きだし、銀行やデパート、官庁や要人を守る行動に出動していました。日ごろ人命救助の訓練をしたこともなく、また上官の命令がなければ自己の判断で動けない自衛隊が災害現場では、何の役にも立たなかったことは、周知の事実です。山田区長はこれを180度ねじ曲げて、防災を口実に、区民に自衛隊への共感を求めているのです。
区長は地元住民には何の相談もせず 防災訓練に自衛隊を動員するのか
許せないことは、山田区長が防災訓練を準備してきた地元防災会や町会・商店会、高井戸東小学校とPTAには何の相談もないまま自衛隊を動員したことです。自衛隊練馬駐屯地から陸上自衛隊第1普通科連隊のヘリコプター部隊の動員を要請しています。
杉並区の防災訓練は、毎年9月1日の自衛隊が出動する東京都の防災訓練とは独自に、地域住民主体の訓練として8月最後の日曜日に行われてきました。区長は、平和を願うこれまでの努力を踏みにじり、自分の国家主義的思想にもとづき自衛隊を公然と区内で押し通そうとしているのです。憲法解釈も含め自衛隊にはさまざまな異論があるのにもかかわらず、自分の考えを押しつけようとするのは、自治体の首長としてあってはならない姿勢です。日ごろ、地元住民の安全を願い、訓練や準備を重ねてきた町会・商店会、消防団の方々の努力に泥を塗るものではないでしょうか。
7月17日、区庁舎に迷彩服が登場 自衛隊の指揮のもとで図上演習
昨年石原都知事は、9月3日に、銀座一帯を自衛隊の戦車と迷彩服で制圧し、治安出動訓練を強行しました。しかも、「三国人」発言で,在日朝鮮人・中国人などが騒擾を引き起こすというデマを並べ立て、その鎮圧を自衛隊に訓示した暴言は、撤回せず、今年も開き直ったままです。今年9月1日には、川崎から八王子市にかけた多摩川河川敷き一帯で大がかりな自衛隊の軍事演習を決定、7月17日には山田区長が、その準備行動としての図上訓練を、杉並区庁舎内で自衛隊の指揮のもとに強行しました。区庁舎内に初めて迷彩服(人名救助のための消防やレスキュー部隊なら目立つ色の服、自衛隊は市街戦目的の迷彩服だ)を着た自衛隊指揮官が登場し、自衛隊が作成したシナリオに基づき訓練を指揮したのです。これは、当日行われた自衛隊の軍事訓練に東京都と杉並区が協力したもので、日米ガイドラインによる、有事における自治体の戦争動員訓練に他なりません。
参加者には何も知らされないまま 自衛隊の待つ旧興銀グランドへ誘導
8月26日の訓練は、9時頃直下型地震の発生を想定し、西友浜田山駐車場、浜田山駅、浜田山1丁目公園とその周辺、浜田山東公園、浜田山敬老会館前、高井戸東小学校、浜田山公園でそれぞれ10時まで訓練を行い、その後、旧興銀グランド中央会場に向かって避難訓練として警察が住民を誘導します。中央会場では10時から自衛隊の救助訓練などのデモンストレーショが行われ、こどもたちが体験コーナーで自衛隊委員と交流できるように計画されているのです。昨年銀座で石原都知事が自衛隊の軍事演習を強行し、自衛隊に市民権を与えたやり方をまねて、区長は浜田山の住宅街で同じ狙いを再現しようというのです。高井戸東小学校では、それとは知らずに、学校長とPTA会長の連名で、保護者に事実上自衛隊との共同訓練への参加を呼びかけてしまいました。地元浜田山住民が区内初めての公然たる自衛隊の訓練に協力するのははなんとしてもやめさせたいものです。ましてやこどもたちを動員するのは許せません。地元の皆様のご理解を願い、区長には地元に不幸な対立が残ることのないよう見直しを強く求めるものです。
(2001年8月2日) |