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介護と福祉を要求する杉並住民の会 第6回総会 特別報告

 

  介護と福祉を要求する杉並住民の会 第6回総会 特別報告

05/05/05

 

特別報告を行う長谷川ひでのり(5月5日 杉並勤労福祉会館)

住民の会・事務局長 長谷川 ひでのり

 

【1】はじめに

 住民の会第6回総会にお集まりの皆さん。今日はせっかくの連休で「こどもの日」なのに、お集まりいただきありがとうございます。
 早いもので、杉並住民の会が産声を上げてからもう丸5年がたちました。住民の会の運営委員として皆さんといっしょに活動してきた立場から、今、住民の会や高齢者が直面している課題や置かれている状況、これとどうたたかっていくかについて訴えたいと思います。
 そのために、何と言っても現代日本の最大最悪の事件、107名の人命を奪い500名の重軽傷者をだした尼崎の鉄道事故について、その本質をしっかりつかまなければなりません。ここに日本の労働者民衆と国や大企業との間のあらゆる問題が含まれているからです。

 

【2】尼崎事故の原因は国鉄の分割・民営化

 いま、この事故の責任を運転手の労働者にかぶせてしまおうという動きが強まっていますが、これは許せない。労働者には何の責任もない。全ての責任はJRにある。まず何よりも、これをハッキリさせなければなりません。JRは西であれ東であれ「安全はもうからない」と公言していた。人を減らし、外注化し、予算を削った。福知山線のATSは18年前のままだったと言うではありませんか。私鉄との競争のために、遅れを認めず運転手にスピードアップを強制していた。どうしてこれで運転手の責任だと言えますか。
「JRに殺された」という遺族の怒りはまったく正当です。18年前の「国鉄分割・民営化」がこうしたJRという民間企業を作り上げ、「大量殺人」を引き起こしたのです。民営化は完全に破綻したのです。
 しかし、それを塗り隠すために、「運転手の責任」をもっともはげしく叫んでいるのが石原知事です。「車庫の中で運転の体験をさせてもらったけど、運転なんてそんなに難しいものではない」「運転手の資質が問題」。これほど労働者の仕事を侮辱する発言はない。だいたい、石原知事は1985年運輸大臣として分割民営化を推進していた当事者で、中曽根などと同じく107名の人命を奪った最大の責任者ではありませんか。
 その石原知事が、後でもふれますが、「東京から国を変える」と叫び、知事の権力をふりかざして、民営化と戦争への道を突き進んでいる。
 しかし、今、ついに「民営化」が大破綻をきたしました。それは労働者や住民に対する「大量殺人」に他ならないことが白日の下にさらされたのです。ました。「民営化」の攻撃には「絶対反対」で闘う以外にありません。

 

【3】「介護の民営化=介護保険制度反対」「必要な人に必要な介護を」

 次に、このような許し難い現実に対して、労働者や住民は何をすべきかという問題です。
 今回の西日本の事故は実は、東日本ー東京・関東でも起る寸前だったというのです。JR東日本に働く運転手さんの組合・「動労千葉」によれば、今年の2月から3月にかけてレールの「破断」が5カ所も発見され、尼崎どころではない、もっと大きな事故寸前の事態が杉並も含む関東で起こっていたというのです。では、どうして大惨事にならなかったのか。それは動労千葉が沿線住民にこの事態を全面的に訴え、同時にただちに安全運転闘争やストライキでJR東日本に、安全対策を厳しく要求して闘ったからです。動労千葉は、国鉄の分割・民営化に対して最初から「絶対反対」で闘ってきた組合です。だからこうした「闘いなくして安全なし」の立場と闘いを貫いて、労働者と住民の命を守ることができたのです。これは非常に重要な教訓ではないでしょうか。全ての労働者や労組がこうした闘いにたつ時代が来ているのです。
 私たち杉並住民の会も介護保険制度という、いわば、「介護の民営化」に対して、「これは国や自治体の責任を投げ捨てるもの。高齢者から介護を奪う制度だ」として反対してたたかって来ました。この5年間で「介護殺人」と言われる事件がどれほど高齢者の命を奪って来たことでしょうか。全ての政党や潮流が介護保険に賛成する中で、「介護保険制度反対」「必要な人に必要な介護を、公的資金で保障せよ」という要求をかかげて、高齢者自身が「みんなは一人のため、一人はみんなのため」といって新たな団結をつくりだし、命と生きる権利を守るためにたたかってきました。
 動労千葉の団結と闘いに見られるように、杉並住民の会の「命のネットワーク」は、これからこそ、ますます多くの高齢者の「寄る辺」として大切になってくる。それが今の時代だと思います。

 

【4】今回の介護保険見直しのポイント

 介護保険が5年目をむかえ、さらに大改悪されようとしています。改悪法案が4月27日に衆院・厚生労働委員会を通過しました。5月の連休明けにも衆院本会議を通過すると言われています。「絶対反対」でたたかわなければなりません。
 改悪の中味は、介護保険財政の悪化を理由に@高齢者が介護を受けなくても済むようにと「筋力トレーニング」などの「介護予防」を導入することです。Aそして、これまで生活援助介護のヘルパー派遣を受けていた、比較的軽度(要支援、要介護1)の高齢者からヘルパー派遣を奪ってしまう攻撃です。「必要なら自費でヘルパーを雇え」というのです。B施設で介護を受けている高齢者にホテルコストと称して部屋代、食事代を新たに負担させることです。3〜5万円も負担が増えてしまいます。払えない人は施設から追い出される。まさに「金の無い高齢者は死ね」ということです。杉並区には介護を受けている高齢者が1万6千人います。その内、要介護1、要支援の高齢者は8千3百人います。この高齢者の生死にかかわる問題で、影響は甚大です。
 杉並住民の会は全国の団体と一緒に3月30日に厚生労働省と、また、今回はじめて区内のヘルパーさんの団体と一緒に4月20日には杉並区と交渉をおこないました。「必要な介護はうち切らない」このように言わせるところまで、みんな必死で国や杉並区を追及しました。「命がかかっているんだ」と仲間の権利を守るために力をあわせてたたかったのです。

 

【5】福祉切り捨ての先頭に立つファシスト石原知事

 こうした介護(や社会保障)の切り捨ては、小泉首相や奥田日本経団連会長が「安全・安心」をスローガンに、ごりごりと推進しています。高齢者を「不安」に突き落としておいて何が「安心・安全」でしょう。さらに小泉・奥田の先をいくのが石原知事です。「東京から国を変える」という石原知事は「中国と戦争をせよ」「尖閣列島に自衛隊を駐留させ、中国の艦船を撃沈せよ」(週刊文春5/5、12号)、「戦後60年間、戦争をやってこなかったから若者がダメになった」(週刊ポスト1/7、14号)、「日の丸・君が代」強制、と本音をあからさまにおしだしています。
 さらに、石原知事は「東京都がやる最大の福祉は治安維持」(日経新聞2003年7月8日号)という。国にこれを置き換えれば「国がやる最大の福祉は国防だ、戦争だ」ということです。まさに「民営化と戦争」「福祉切り捨てと戦争」はいっしょにやってくる。
 そして、介護保険が、憲法25条の「生存権の保障は国の責任」という戦後福祉の根本的な立場を投げ捨てるものであることをとらえて、福祉の全面的な民営化を国以上に強行しています。都立病院、高齢者・障害者・児童・女性などの福祉施設をすべて、民営化するか廃止して東京都の責任を徹底的に投げ捨てています。
 さらに、介護保険では東京都は23区や市町村の調整役、不服審査の申し立て先などの役割と共に、事業所の指定」「監査」などお目付役を担っています。住民の会でも大きな問題となった「通院介助」(通院の際ヘルパーさんに介助してもらう)。これに制限を加え、「病院の中のヘルパーさんの待機時間の報酬は介護保険からは払わない。自費でまかなえ」。こういうことを厚労省が言い出した時、東京都は監査でこれを事業者に徹底的に強制したのです。全国で東京都がもっとも厳しくやっています。
 さらに、こういう話しがあります。生活援助介助で30分で食事をつくり、30分で高齢者に食べさせているヘルパーさんに「30分たっても食べない時は食事を下げて引き上げろ」、東京都の監査でいわれたことです。これを聞いたヘルパーさんは絶句したそうです。「食事を食べて欲しい」「食べられないのは具合が悪いからかしら」、「もう少し様子を見てから引き上げよう」いろいろ思い悩むでしょう。「そんなことを考えるな、費用をかけるな」これが石原知事の「介護」なのです。まるでナチスやファシストの考えに通じるものではないでしょうか。
 次の発言は、「障害者」や女性への徹底した差別と蔑視にもとづくものです。「障害者」への「あの人達に人格があるのかね。安楽死にもつながる」(1999年)。高齢女性への、いわゆる「ばばあ」発言(2001年、2005年2月)。怒りがこみ上げてきます。そして、これは単なる「暴言」ではない。石原知事の本音です。小泉や奥田も言いたいが言えないことであり、やりたいことなのだ。それを石原知事が先頭で煽動し、国が危機の時に、国にたよる福祉は問題外として遠慮会釈なく切りすてる、これこそファシストです。
 住民の会は、この石原知事を絶対に許さない。都議選(6/24〜7/3)で皆さんといっしょに全力で闘い勝利しましょう。住民の会を大きく広げましょう。介護保険制度改悪とのたたかいもこれからです。国会へのたたかい、厚労省や杉並区との交渉もより大衆的にたたかいましょう。先ほど、全体で決議された「つくる会」教科書の採択を阻止しましょう。

Toseiwo Kakushinsuru Kai