4月27日の区役所前の都革新街宣に参加してくださった在日作家ヤンソギルさんの発言
ヤンソギル(梁石日)
さんの発言 アジア・世界に目を向けたら「つくる会」教科書は使えない
05/05/04
中国・韓国で反日デモがありました。とくに中国では、日本大使館・領事館また日本の商店などがこわされたりしました。この事件にかんしてはやはり、中国政府が国際ルールにしたがっておこなうべきだったと私は思います。
しかし中国が言うように、原因は日本側にあると私も思います。バンドン会議でも小泉首相は、かつての戦争について「深く反省し謝罪する」と言いました。ところが、(「つくる会」の)歴史教科書は、従軍慰安婦あるいは強制連行を隠蔽(いんぺい)し、そしてかつての日本の戦争はヨーロッパ諸国によって植民地化されていたアジアを解放することに役立ったというふうなことを、書いているわけですね。そういう教科書を文科省が検定で合格させているということになれば、
小泉首相の謝罪というものが本当に謝罪しているのかどうか、疑わしくなるわけです、当然。たとえて言えば、懐(ふところ)に刃物をもって、あるいはピストルをもって「すいませんでした」と謝られたら気持ち悪いですよ、謝られる方は。そういうものに僕は似ていると思います。
ですから、この教科書問題というのは、非常に重要な問題だと思います。やはりアジアとこれからさき長くつきあい、そしてお互いの利益のためにやっていく必要があるのは言うまでもありません。ですから、やはり過去については率直に認めて、そしてそれを伝えて、その上で言いたいことがあれば言うべきだと思うんです。
そうじゃなくて、今のようなやり方をしますとハッキリ言って二枚舌になりますからね。言っていることとやっていることが全然違うということになれば、信用されないと思いますね。

在日作家ヤンソギル氏も参加。「つくる会」教科書の採択阻止を訴える(4月27日 杉並区役所前)
もう一つは、これから憲法改正が射程距離に入っているわけですけれども、9条2項が改正されるとどういうことになるか。
今、憲法9条があるから、アジアの近隣諸国は日本に対してある程度、安心していると思います。9条2項が改正されると、かなり不安になると思うんですよ。非常に懸念材料が大きくなる。たえず日本を監視しなければならないような、そういう状況をつくっていくんじゃないか。これはお互いにとって非常に不幸なことだ。そういう緊張関係がずっとこれから強いられていく、続いていくとしたら、これはもう疲れますよ。もう日本は世界第2の軍事大国なんですね。これ以上なんで憲法を改悪するのかなと僕は思いますけれどもね、そのへんがよくわからない。
おそらく憲法9条2項を変えることによってですね、集団的自衛権はもちろんのこと、その先に徴兵制も実行しようとしているんじゃないか、あるいはもっと先を考えると核を保有しようと考えているんじゃないか。そういう布石を打とうとしている。そういうところまで勘ぐりたくなるわけですよ。そうなるともう、それこそ大変ですね。
よくかつての軍国主義とかというようなことが言われてますけれども、そうではなくてですね。ここにきて日本の急速な国家主義的な傾向というのは、僕は新しい国家主義のあり方だと思いますね。それはおそらくアメリカの軍事的影響を強く受けているとは思いますけれども、それよりも戦後の自民党独裁政権の中にいた人たちがずっと戦後60年間考えてきたことなんじゃないかと思います。 彼らの長年の宿願をついに憲法改正という形で実現させようとしているんじゃないかと僕は思います。ですから、アメリカの問題もありますけれども、当然アメリカの影響は強いわけですけれども、しかし、やはり日本の政治そものがアメリカの影響とはまた別にもともと伏在していたというふうに考えたほうがいいと思います。
これから日本では、アジア諸国からの人々、在日外国人が相当増えていくと思います。これは好むと好まざるにかかわらず、日本の国際化とかグローバル化の中で、否応なしに増えていくと思うんです。
この場合に、たんに増えるというだけでなくて、やはりここでも共生していける、一緒に暮らしていくという状態になっていくと思うんですね。そうなると今まで3Kみたいな状態で外国人が来るんじゃなくて、いっしょに暮らして、結婚もしているというような状態になっていったら、その受け皿というものを社会がつくっていく必要があると思うんですね。
そういう状況を考えていきますと、長いスパンで考えていきますと、やはりこういう教科書を採用して教えるということになると、どうかなと思うんですね。なぜかと言うと、学校の生徒にはこれから先は在日外国人もどんどん増えてくると思うんです。そうしたことも視野に入れた上で、対応する必要があるというか。もうちょっと広い視野で、アジアとか世界に目を向けて、長いスパンで考えてやっていくべきだろうと思います。
(05年4月27日の区役所前の都革新街宣に参加してくださった在日作家ヤンソギルさんの発言より) |