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A(1) 山田区長の教育委員人選を追及 05/09/26

A(2)  9月15日杉並区議会定例会、一般質問--「つくる会」歴史教科書を採択した山田区長と納冨教育長を追及。(質問全文) 
 

山田区長の教育委員人選を追及

 杉並区議会定例会で9月15日、一般質問に立ち、「つくる会」歴史教科書を採択した山田区長と納冨教育長を厳しく追及しました。

(質問全文)  

 

 ●採択は山田区長の全面的支持と「つくる会」の脅迫に屈した納冨教育長によるもの

 「チャンネル桜」の発起人で「つくる会」賛同者の松浦区議が「採択実現のカギは、ひとつは区長・教育長が不当な圧力に屈せず正しい意見が言える人であったこと、もうひとつは『つくる会』が公開質問状を即座に出したこと」と総括するように、「つくる会」歴史教科書の採択は、山田区長の全面的支持と「つくる会」の脅迫に屈した納冨教育長による教育委員会の違法な手続きによるものでした。 
 山田区長が任命した宮坂委員は「戦争は国と国のけんかだと思っています。けんかというのはそれぞれ言い分がある。日本は戦争をやらざるを得なかった」と発言し、大蔵委員は「めくら(ママ)を盲人と言い換えても差別はなくならない」と発言、視覚「障害者」からの批判を「言葉狩り」だと居直りながら、「目の不自由な人」とこっそり言い換える破廉恥さです。このような委員を選んだ区長は答弁できず、区長室長に「立派な識見を持った人物で議会が選んだ」と居直りの答弁をさせました。

 ●豹変した納富教育長

 8月4日の審議で納富教育長は「3社どれでもよい」と表明しました。ところが、12日には賛否の分かれる「つくる会」教科書をあえて第1位に選んだのは区長の指示ではなかったのか。扶桑社版を支持した教育長は、憲法順守義務に反して選択した責任をとり、辞任するべきであると突きつけた。教育長は「議事録を読めば分かる」とのみ答え、扶桑社を採択した理由も言えず「やめる気はない」と気色ばむだけでした。
 さらに、採択要綱を規則に変え、現場教員の調査研究報告を無視し、「チャンネル桜」を後援し、調査報告書の書き換えを指導、区民の声や要望・アンケートの無視など、区長と教育長の結託による「つくる会」採択のための具体的手口を一つひとつ暴き追及しました。

 ●「大東亜戦争は正しかった」という教育をするのか

 「大東亜戦争は正しかった」という教科書で授業をする学校に就学義務を課すのか、在日の子どもたちにもこの教科書を渡すのかとただしましたが、答えられません。「つくる会」は安本委員を名指しした中傷ビラで、帝国書院や大阪書籍を攻撃しましたが、これは教科書編集者が他社を批判することを禁じている公正取引委員会告示に違反しており、扶桑社を除外した上で採択をやり直すべきであると迫りました。

 ●撤回運動の爆発に恐怖する「つくる会」

 「つくる会」は、撤回運動の爆発と来年4月に向かう教育現場での闘いに恐怖しています。採択後に扶桑社版の欠陥を補完するガイドラインの必要性を訴えた丸田教育委員長にたいし、公開質問状で辞職を迫る挙に出ました。さらに「つくる会」教科書を実際に使うかどうか学校に調査に入ると露骨な介入さえ宣言しています。
 その結果、「委員長コメント」と正反対の「補足コメント」が出されたことを見ても、杉並区の教育行政は、教員や教育委員の「つくる会」教科書を批判する意見を変えさせるという異常な状態になっています。
 私は、「つくる会」による不当な介入や圧力のもとでの採択は無効であり、必ず撤回させると宣言しました。 

けしば誠一 9月議会一般質問(9月15日)全文

 全国で教科書採択が終了し、市区町村で「新しい歴史教科書をつくる会」教科書を採択したのは杉並区と大田原市だけでした。「つくる会」の目標10%を大きく下回り、歴史教科書採択率は0.43% 5080冊、公民教科書が0.21% 2560冊でリベンジは失敗しました。歴史では杉並区の2100冊が41%を占め、異様に突出しています。教員の意向を無視した採択制度に変えても、全国の教育委員会が「教科書としてふさわしくない」と判断した扶桑社を、杉並区はあえて強引に採択したのです。
8月4日から12日にかけた「つくる会」の呼びかけによる右翼国家主義団体の総力をあげた杉並への登場は驚くべきものでした。「つくる会」は扶桑社に反対する教育委員への脅迫・宣伝を繰り広げ、12日当日は前夜から区庁舎前に終結しました。すね当てをつけ警備の腕章をした右翼団体リーダーの指揮で区庁舎を囲む不正義の暴力に、親の会をはじめ市民団体・教職員団体は整然たる行動ではね返し杉並の良心を貫きました。
 採択後に教育委員長がコメントを発し、調査委員会が指摘するように欠陥のある教科書を教育現場で使うことになったことで、補完的ガイドラインや副教材の必要性などを指摘したのは当然なことでした。これに対して「つくる会」はすぐに丸田委員長に対する公開質問状を発し、辞任を要求する脅迫行為に訴えました。同時に出されたつくる会の見解なるものは、委員長の指摘を違法行為などと非難する脅迫状そのものです。しかもその翌日には実には採択された欠陥教科書のみ使うことが強調される正反対の補足コメントが出され、正しい意見が封殺されています。安本委員に対しても9月2日に再度、発言撤回を求める質問状でさらに脅迫を強めています。採択後も繰り返される「つくる会」の扶桑社に反対した教育委員への執拗な嫌がらせは、区教育委員会がそれを容認し、事実上尻押ししているためです。なぜこのようなつくる会に反対する教育委員の発言に対する異常な脅迫に対し、教育委員会は対処しないのでしょうか。
「日本文化チャネル桜」の発起人であり「つくる会」賛同者の松浦議員が「採択実現の鍵は、一つは区長、教育長が不当な圧力に屈せず、正しい意見が言える人であったこと、もう一つは「つくる会」が公開質問状を即座に出したこと」と総括するように、山田区長の支えと教育委員への脅迫が採択を促したことかです。行政と教科書編纂者の介入による違法な教科書採択を質し、区長および教育長の責任を問うものです。

(1)山田区長による「つくる会」賛同者の教育委員任命問題

 第1に、山田区長が杉並区教育委員に「つくる会」賛同者を任命した責任です。
@ 4年前に採択できなかった「つくる会」教科書が、杉並だけで採択されたのは、区長の力によるものと言われているが、区長の見解を聞かせてください。
A 4日の審議の中で大蔵委員は「大東亜戦争」という呼称を正当化するために「めくらというのをやめて盲人といえば差別はなくなるのか」などの差別語を繰り返しました。視覚障害者団体から指摘されても「言葉狩り」と反論しながら、12日にはこっそり「目のみえないひと、目の不自由な方」と訂正しています。これは本人が差別言辞を認めたためか経過をお聞きします。訂正せざるを得ない差別語を使って、誤ることもしない人は「人格の高潔さを欠く」ものではないのか見解を求めます。
B 宮坂委員は、「大日本帝国憲法なんですが、天皇は神聖にして犯すべからず、私の考えでは今の象徴天皇制を表している」「立憲君主制、現憲法と大きくは変わらない」と述べ、「戦争は国と国のけんかだと思っています。けんかというのはそれぞれ言い分がある。日本は戦争をやらざるを得なかった」と言い、「軽い表現であった」と訂正をしました。これが教育委員として的確な発言といえるのか尋ねます。

(2)納冨教育長任命問題

 第2に4年前、扶桑社は2名の教育委員の反対で、教育長の判断で見送られたため、区長は教育長を納冨区長室長に代えて、区長の意を実現できる体制を固めました。
C 区長が前区長室長を教育長に任命したのは「事実上首長が支配する教育委員会はいらない、区長が教育を行うべき」と主張する区長の考えによるものか
D 4日、12日の採択審議においても、宮坂委員も含めてすべての委員が2〜3社の教科書を推薦していました。その上で、安本委員と丸田委員が扶桑社に強く反対したため、この時点で扶桑社は除外され、全員が候補に上げた大阪書籍を決定する流れとなりました。4日の審議で教育長が「3社どれでもよい」とする姿勢を表明しながら、12日になってこれほど賛否の分かれる教科書をあえて第1位に選んだのは区長の指示ではなかったのか、率直にお聞きします。歴史が決まると傍聴していた「つくる会」が一斉に退席し、公民教科書は論議もなく大阪書籍とされました。これは歴史に関して異例の多数決で扶桑社とするための事前の取引があったと疑わざるを得ません。
E 教育長は、帝国書院や大阪書籍は「理念型の平和構築論」であり、「戦争廃絶を願っている」と批判し、扶桑社の「戦争や紛争がなくならない現実を直視した書き方」を評価しました。「戦争はなくならない」という発言は、明らかに憲法前文の恒久平和の理想と9条の戦争放棄を否定するものではないのか。区長によって教育長に登用され、扶桑社採択の命を受けた納冨教育長にとって、憲法遵守義務に反しても選択せざるを得なかったとしたら、辞任してけじめをつけるべきではないか。

(3)採択要綱の改悪と調査委員会の報告の無視

  第3に、山田区長は学校図書採択要綱を規則に変えることで、教科書採択のための現場教員の調査研究報告を単なる参考資料とし、教育委員会がそれを無視して採択したことです。
F 教育長は昨日の答弁で、「調査研究報告を生かし、委員がそれぞれ自由に発言し、団体意思として扶桑社を採択した」と言われた。教育長、あなたは報告書が指摘する「中世史が少ない」という点についてわざわざ大蔵委員に問いかけ、大蔵委員が「他社の中世史の分量が多いのは、現代史をさけて通りたいという教師の心理の反映だ」などと、問題をすりかえて調査委員会の正しい指摘を否定することに手を貸しましたね。調査委員会報告、種目別部会報告、学校の調査報告が指摘している扶桑社版の欠点や欠陥について、教育長はどう考えたのでしょうか。なぜそれと異なる評価を下したのかお答えください。

(4)チャンネル桜について

  第4に、山田区長は「つくる会」教科書推進運動の目的で開局した衛星テレビ局「日本文化チャンネル桜」を後援し、その番組や集会でつくる会教科書と同じ内容を語り、特定の教科書採択のためにその地位を利用してきたことです。
G 「チャンネル桜」は、12日の「つくる会」の行動や藤岡副会長の記者会見の模様を流し、採択の成果を報じています。「チャンネル桜」のインターネットで12日の区役所前への「つくる会」の全国動員を呼びかけました。マスコミを装いながら水島社長自ら陣頭指揮をとり、採択に反対する区民の顔をなめるようにビデオで撮影し嫌がらせを行い、抗議されると警察に暴行されたと通報して弾圧を要請した団体です。山田区長が特別に番組を与えられている「チャンネル桜」に、区は今後も支援を継続するのか、特定教科書の採択運動をすすめる放送局を区や教育委員会が後援してよいのか、即刻後援は取り消すべきではないのかお聞きします。

(5)調査報告書の書き換え問題

  第5に、教育委員会事務局が、調査報告書の書き換えを指導した問題です。
H 杉並区教職員組合が納富教育長に、「中学校教科書採択に関して教科書調査報告書(学校用)の書き換え指導をただちにやめること」とする要望書を提出しました。指導の内容は、「扶桑社」歴史の総合所見が「適切ではない」となっているものを書き直せというものです。「これが順位を表すものだから」という理由は成り立ちません。区教委の指導に教科書の適否を評価せよとあるにも関わらず、「扶桑社が適切ではない」という評価がなぜ書き換えの対象になるのですか。教科書としてはあまりに不適切な扶桑社を批判する現場の声を封殺するためのものと思うが、お答えください。
I 調査報告書を「参考資料」にすぎないとしながらも、現場教員の声や調査報告書の評価は否定しがたいために、総合所見で扶桑社不適切の結論を書き換えさせたことは許されないことです。調査報告の書き換えは、調査委員会として行ったとのことだが、事務処理要綱を定め、調査委員を委嘱した教育長の意向が働いたのではないのか、お答えください。それは「事務をつかさどる」(地方教育行政法第17条)教育長の職務権限の範疇を超え、教育委員会の権限を犯すものであり許されません。

(6)区民の声や要望、アンケート結果の無視

 第6に、区民の声や要望、アンケートの無視である。
J 採択に関して出された申入れ、陳情、要望等、分別するとどのような陳情がいくつだされているのか、区民アンケートについての教育長の感想を聞かせてください。
K 中高一環校や私学なら採択校を避けることはできます。区立学校ですべての中学生に「大東亜戦争は正しかった」という教科書を押し付け、この教科書で社会科の授業をする学校に、就学義務を課すのですか。在日のこどもたち、そのオモニたちにも、この教科書を渡すのですか。公教育に責任を持つものとしての回答を求めます。

(7)教育委員に対する脅迫

 第7に、教育委員に対する「つくる会」の脅迫を区が容認していることは許せません。
藤岡副代表は正論10月号で、保護者や教職員団体の「つくる会」教科書に反対する行動を妨害活動と言い、「ある教育委員の自宅にかみそりの刃が送りつけられた」なる作り話を書いています。これは4年前の採択過程で、「つくる会」が区民の反対運動を誹謗するためでっち上げたことであり、教育委員会に事実無根であったことを確認しています。
「つくる会」歴史教科書を「戦争に向かう教科書」と指摘したのは、保護者や教員たちの多くが感じた思いを表現したものであり、戦争賛美の教科書という批判とともに「つくる会」が最も恐れる批判なのです。過去の侵略戦争を正しいと書き、戦争はなくならい現実を説き、自衛隊の海外派兵を称える教科書が戦争に向かう教科書でなくてなんでしょうか。採択審議での委員の発言を、採択途中の段階で教科書関係者が攻撃するなどあってはならないことです。公開質問状は、本人に送付される以前にマスコミに公表され、都教育委員会や山田区長にも協力を求め、教育長はこれを容認しました。
L 公正取引委員会告示第5号の3は「教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、他の教科書の発行を業とする者またはその発行する教科書を中傷し、誹謗し、その他不正な手段をもって、他の者の発行する教科書の使用または選択を妨害すること」を禁じています。教科書編纂者が、安本委員名指しの中傷ビラで、帝国書院や大阪書籍を攻撃したのは、4日の段階で「扶桑社」とともに候補にあがっていた2社の教科書をことさら中傷するものであり、違法性は明らかではないのか見解を求めます。
M 扶桑社が違法行為を犯していることが明らかとなった以上、12日の審議の時点では採択対象から除外すべきであったのにそれをしなかったのはなぜですか。違法チラシの主張するままに、扶桑社を採択した教育委員会の決定は、手続きからいっても無効であり、扶桑社を除外した上で採択をやり直すべきと思うがどうか。

(8)12日の区庁舎前、教育委員会傍聴の異常さ

  第8に、12日前夜から区庁舎を取り囲み、数の力で傍聴整理券の過半を抑え、藤岡副代表を先頭に委員会室で圧力を加えた問題です。丸田委員長は、採択審議では扶桑社に反対し、その欠点を指摘していました。「私の心の内もご理解願いたい」「苦悩を感じている」とまでいいながら、「扶桑社に決めさせていただきます。」といわざるを得なかった。採択審議を主宰した委員長が、採択結果に異を唱えるに等しいコメントを発表すること自体異常なことであり、採択が不当な圧力のもとに行われたことは明らかです。採択後の「委員長コメント」に対し、「つくる会」は直ちに公開質問状を出し、今度は丸田委員長に辞職を迫っています。直後に「扶桑社を教科書として採択することになったが、本教科書の内容を補完する立場から」とガイドラインや副教材の必要性を述べたのは、全く異なる教科書を使う教育現場の混乱を考えれば当然なことです。
N「つくる会」の委員長への公開質問状のあと、「委員長コメント」と正反対の「補足コメント」が出されています。「つくる会」の公開質問状は、山田区長にも送られています。「つくる会」教科書を強制した力がはたらき、教育行政指導で丸田委員長の見解を無理やり変えさせたのではないか。杉並区の教育行政は、教員や教育委員が意見も自由にいえない、「つくる会」に都合の悪いことは無理やり意見を変させるという異常な状態になっています。「つくる会」による不当な介入や圧力のもとで行われた採択は無効であり、撤回し改めて審議し直すべきことを求めこの項を終わります。

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