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> - 案内 辛口フォーラム  05/06/15

石原知事に挑戦状 とめよう戦争教育 うばうな介護

赤唐辛子

 

辛口 フォーラム

  E 第5話「つくる会」公民教科書に反対しない(?)共産党  05/06/23
D 第4話 共産党と福士さんへ――「つくる」会教科書の採択阻止へ6・22をともに闘おう C 第3話 「介護の安心」が得られない共産党の「介護の安心」 05/06/15
B 第2話 共産党と福士さんは、なぜ「つくる会」教科書と闘わないのか? 05/06/09 A 第1話 「日の丸」賛成―「式次第に従う」と公言した福士さん 05/06/06

 第5話 「つくる会」公民教科書に反対しない(?)共産党

 

 1 『杉並区民新聞』歴史教科書問題の二つの特徴

 日本共産党の『杉並区民新聞』(6月号外)は、「歴史の真実を子どもたちに」をメインタイトルとし「杉並で侵略戦争肯定の『歴史教科書』採択の動き」をサブタイトルとして、「つくる会」教科書の問題について初めて立ち入った形で述べています。
 このB4裏・表のビラは、次の六つの構成部分から成り立っています。
 @基本的主張を述べている部分(資料1として末尾に掲載しています)
 A吉田信夫都議の一言を載せているコラム、
 B韓国ソウル市ソチョ区の人々との「感動の日韓区民シンポ」を報道しているコラム、
 C「こんなにひどい!侵略美化の『つくる会』歴史教科書」のコラム、
 D「不破議長の講演ブックレット」の宣伝コラム、
 E都政を革新する会にたいする誹謗中傷の部分
 今回はおもにメインの@の部分について検討してみましょう。 
 この文章には、大きく言って二つの問題があります。
 第一の問題は、歴史教科書について言及あるいは反対の言葉はあっても(計7か所、資料1で黄色部分、強調は引用者/全体では9か所)、驚くべきことに、公民教科書にたいする言及あるいは反対の言葉は一言もないということです。
 第二の問題は、「『つくる会』の『歴史教科書』採択の強行をストップさせましょう」と書きながら、では具体的にどうしたらいいのかがまったく書かれていないことです。

 

 2 「つくる会」教科書の採択阻止について共産党は本気ですか?

 順序は逆になりますが、まず第二の問題からです。
 杉並での「つくる会」教科書採択の流れがこの6月にも決定的になってしまうかもしれないという超切迫した状況にあるにもかかわらず、共産党『杉並区民新聞』は、なんの緊張感もなく、ただ一般的に「こんども区民あげての運動で、なんとしてもストップさせましょう」(資料1で緑部分 強調は引用者)と言うのみです。具体的な反対・阻止の行動・方針を一切呼びかけていません。それ以外に言われていることは、「日本共産党が、都議会でも杉並区議会でも採択に反対する」(同)ということだけです。
 しかし、都議会でも区議会でも「つくる会」教科書に賛成する勢力(自民・公明・民主など)のほうが圧倒的多数派をとっているのですから、たんに議会の枠内の闘いでは採択阻止をかちとることは絶対にできません。それでは、「つくる会」教科書派がねらっているように、「静謐(せいひつ)な環境」でこの戦争教科書の採択が粛々(しゅくしゅく)と進められてしまうことは明らかです。採択阻止は、議会内の闘いと議会外の大衆運動が結びついてはじめてかちとることができるのです。
 それが明白であるにもかかわらず、区民にたいして一切の具体的行動方針を示さずに、ただ「日本共産党が議会で反対します」とだけしか言わないということは、共産党が「つくる会」教科書の採択阻止を本気でやる気があるのかどうかについて重大な疑問をいだかせるものであると言わざるをえません。しかも共産党は、「議会で反対します」といいながら、じつは杉並区議会でも東京都議会でも、この問題で何もしていないのです。

 

 3 「つくる会」公民教科書はどのような教科書?

 次に、公民教科書にたいする言及あるいは反対の言葉が一言もないという問題について。
 「つくる会」公民教科書とはどのようなものでしょうか。
 この点について、都政を革新する会が5月14日に発行した「『つくる会』教科書の採択を阻止しよう」というリーフレットにもとづきながら少し述べてみましょう。そこでは5点にわたって問題点を指摘しています。〔「つくる会」歴史教科書の問題性については、同じくこのリーフレットを参照してください。〕
 一つは、明治憲法下で自由や権利があったとウソに塗り固められた教科書だということです。
 これまでの教育では、天皇主権の大日本帝国憲法(明治憲法)が戦争の要因の一つであり、それを反省して戦後は国民主権の日本国憲法に変わったのだと教えられてきました。明治憲法の下で、民衆は「自由や権利」を奪われ、天皇や国家を批判すると投獄・拷問され、強制的に戦争にかり出されました。ところが、「つくる会」の公民教科書は、明治憲法を「できるだけ国民の権利や自由を盛り込んだ憲法」「当時の新聞でも『聞きしにまさる良憲法』としてたたえられた」と称賛しています。その一方で、まがりなりにも労働者民衆の自由や諸権利を保障してきた日本国憲法については、米占領軍によって押しつけられた憲法ということだけが、強調されています。
 二つは、基本的人権をないがしろにし現憲法を攻撃する教科書だということです。
 子どもたちに日本国憲法を教える場合、ふつうは「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の三原則を説明します。しかしこの教科書は、「国民主権」の内容が「主権国家」と「象徴天皇制」の説明に、「平和主義」の内容が自衛隊と有事法制の説明に、「基本的人権の尊重」の内容が「公共の福祉と国民の義務」の強調にすり替えられています。「基本的人権の尊重」をないがしろにして、国家・国益・国防・「公共」・天皇を強調しているのです。国家・公共の利益よりも人権を重視するのは間違いだと現憲法を攻撃し、憲法改悪に子どもたちを誘導するのがねらいです。
 三つは、「近隣の脅威」を叫び戦争をあおる教科書だということです。
 子どもたちに、いまにも近隣の国が日本を攻撃してくるかのようなイメージを与えています。「朝鮮半島情勢は一層緊迫化」していると言い、領土問題、拉致(らち)問題、不審船などを写真入りで大々的にとりあげ、戦争をあおっています。そして、このために自衛隊は不可欠の存在だと説くのです。さらに自衛隊の海外派兵を「わが国にも相応の軍事的な貢献が求められるようになった」と言い、国外での米軍との軍事作戦を積極的に推進するよう主張しています。
 四つは、9条撤廃と「国防の義務」を主張する教科書だということです。
 「国防の義務」と題した資料を掲載、他国の憲法を例にあげて「これらの国の憲法では国民の崇高な義務として国防の義務が定められている」と書いています。あらゆる侵略戦争を「国を守るための戦争」と肯定し、戦争協力を義務として教えるものです。9条を撤廃し海外派兵をどんどんやり、戦争のできる国にしよう、国防はみんなの義務にすべきと教え込む教科書です。
 五つは、「差別があって当然」と男女平等を否定する教科書だということです。
 「法の下の平等」の項で「行き過ぎた平等意識はかえって社会を混乱させ、個性を奪ってしまう結果になる」と書いています。コラムでは「男らしさ、女らしさ」や「家族の中の役割分担」を強調し、男女共学への反対運動まで掲載しています。女性差別をあおるだけでなく、社会には差別や格差があって当然だ、その方が社会秩序が保てるのだと主張しているのです。これは女性差別主義者の石原知事とまったく同じ考えです。
 このように、いま五つの点から「つくる会」公民教科書の問題を指摘しましたが、これらは「つくる会」がかれら自身の言葉で語っていることでもあります。「平成17年夏、全国の教育委員会にて採択―扶桑社の『新訂版 新しい公民教科書』を子供たちの手に!」と題する「新しい歴史教科書をつくる会」のリーフレットからの引用を、資料2として末尾に掲載しましたので確認してみてください。 
 要するに、「つくる会」公民教科書は同歴史教科書に勝るとも劣らない危険な教科書であり、歴史教科書と一対で、戦争のための教科書、改憲をねらった教科書と言うことができます。

 

 4 誹謗中傷ではなく真摯な自己批判・相互批判を

 ですから、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会の署名活動も当然、歴史・公民の両教科書に反対しておこなわれています。それは共産党もよく知っているはずです。それなのに、共産党が「つくる会」の歴史教科書には反対しても公民教科書には反対しないのはどういうわけでしょうか。
 そういえば、別の『杉並区民新聞』(05年6月号外 8ページの色刷りリーフレット)でも、「3つの緊急提案」の「子育ての安心」のところで「侵略戦争美化のつくる会『歴史教科書』採択反対」というように、「歴史教科書」のみをとりあげていました。
 これらは、書くのを忘れてしまってそうなっているのか、それともあえて意図的にそうしているのか。
 第一のケースなら、共産党は「つくる会」教科書について私たち都政を革新する会に「都議選の争点からはずしている」と批判されて、あわててなんとか形ばかり整えて文章にしてみたものの、本当の中身がよくわかっていなかったためそのような初歩的な誤りをしたということでしょう。
 第二のケースなら、問題はより深刻です。右翼ファシスト集団「つくる会」が、歴史教科書とあわせて戦争と改憲のために出版している公民教科書に反対しない共産党とは一体なんでしょうか。
 【「つくる会」教科書をとりあげて、「歴史教科書」しか問題にしないのは、福士さんも同じです。「自治市民’93・福士敬子と都政をつくろう会」の「あんてな’93」《2005年 号外》では、「『強制はよくない』教育力の危機に発言」のところで、教科書については「歴史教科書採択」としか書いていないのですから。】
 いずれにしても、共産党にとっては抜本的な自己切開・自己反省が必要です。「つくる会」歴史・公民教科書の採択阻止の闘いを心ある全区民の力でかちとっていくために、共産党はこの問題について明確な態度表明をおこなう義務があります。
 共産党はこれまで、みずからが少しでも批判されると、反省するどころか、その批判した人・党派を激烈に誹謗(ひぼう)中傷するという形で自己保身的に危機をのりきろうとするのが常でした。これは、革新政党としてあってはならないことです。共産党には今や、そのような独善的態度を根本的に改め、真摯(しんし)で誠実な回答のみが求められています。

 

 資料1:日本共産党の『杉並区民新聞』(6月号外)

 杉並で侵略戦争肯定の「歴史教科書」採択の動き
 歴史の真実を子どもたちに 日本共産党

 自民、公明、民主などが賛成
 侵略戦争肯定の人物が教育委員に

 杉並区議会で、自民、公明、民主などの賛成で教育委員に再任された人物は、日本が過去に犯した戦争を「聖戦」といい、その立場で編集されている扶桑社の教科書を区の学校に取り入れようとしている人物。「従軍慰安婦は売春婦だった」とまで発言しています。

 今年は教科書選定の年 「つくる会」教科書については
 ごいっしょに採択をやめさせましょう

 今年は4年に一度の中学校の教科書を選定する年です。石原都知事も山田区長も、「つくる会」の「歴史教科書」採択を強行しようとしています。しかし、4年前「戦争賛美の教科書を子どもたちにわたさない」をスローガンに大きな運動が展開され、「つくる会」の教科書は排除されました。こんども区民あげての運動で、なんとしてもストップさせましょう。侵略戦争を「正しい戦争」と教える教育では、アジア諸国とのまともな付き合いはできません。日本共産党は、都議会でも杉並区議会でも採択に反対し、子どもと教育を守るために全力でがんばります。

 

 憲法改悪の動きと一体
 日本外交ゆきづまりの原因に 侵略戦争美化 歴史教科書
 9条改憲ねらう勢力が「歴史教科書」採択の先頭に

 改憲勢力がねらう憲法改定は、9条を変えて「自衛隊の保持」を憲法に書き込むだけではありません。いままでの歯止めを取り払って、日本をアメリカいいなりに「海外で戦争をする国」につくりかえることが目的です。
 そして、9条改定で中心になっている政治家の多くが、政治指導者の靖国神社参拝や、歴史の事実をわい曲した「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を押しつける先頭に立っているのです。まさに、9条改憲と侵略戦争賛美は一体のものとしてすすめられています。

 侵略戦争への反省の言葉を裏切る、「靖国参拝」と「歴史教科書

 ドイツ、イタリアがヨーロッパでやった戦争、日本がアジアでやった戦争、これはいかなる大義ももたない侵略戦争だった―これは、国際社会が一致して下した結論です。ところが日本では、この評価を戦勝国の勝手な結論≠セといって、日本の戦争の名誉回復≠要求する声が大手をふって横行し、それに政府のお墨付きを与える小泉内閣の行動が中国や韓国との関係を悪化させ、外交ゆきづまりの根源となっています。
 その最大のものが「靖国参拝」と「歴史教科書」。どちらも、あの侵略戦争を「正しい戦争」と描き、戦争の名誉回復≠図るという狙いは共通です。
 こんな「歴史教科書」に検定を通じて合格のはんこを押すようでは、いくら小泉首相が戦争への反省を口にしても、実際の行動で裏切る結果となってしまいます。

 

 資料2:「平成17年夏、全国の教育委員会にて採択―扶桑社の『新訂版 新しい公民教科書』を子供たちの手に!」と題する「新しい歴史教科書をつくる会」のリーフレットより

 『新訂版 新しい公民教科書』は、中学生が公正な判断をはぐくめるよう、読みやすく理解しやすい教科書であることを心がけ、判型・内容を一新しました。また、学習指導要領が求めているように、子供たちが「公民」としての自覚と責任を持ち、自然な気持ちで自国を愛することができるような構成です。

 まず、国家の重要性が正確に理解できるよう努めています。一方的に悪しき存在として描かれることが多かった自衛隊を正面から取り上げて、その意義を説き、近年、その重要性が国民の大多数に理解されるようになった国防についても正確に記述しました。

 国旗・国歌・領土問題・拉致問題についても国家主権とのかかわりの中で取り上げています。

 わが国の始まりとともに存在した天皇・皇室の意義も、子供たちにわかりやすく説いています。

 憲法に関しては最新の研究を踏まえ、大日本帝国憲法については実証的記述を心がけ、日本国憲法についても制定過程に由来する問題点をきちんと説明しています。憲法の条項の説明については、最高裁判断を踏まえた一般的な理解を提示しました。

 家族や地域共同体の意義を説いているのも特徴です。

 (ピンク部分は原文ではゴシック)

 

 

 第4話 共産党と福士さんへ――「つくる」会教科書の採択阻止へ6・22をともに闘おう

05/06/20

 1 署名活動を妨害する共産党

 「つくる会」の歴史・公民教科書の採択に反対して、杉並・親の会をはじめとする区民の皆さんが懸命に署名活動をおこなっています。都政を革新する会は、こうした住民自身の自主的で主体的な行動こそ、「つくる会」教科書の採択を止める最大の力になると確信します。もちろん私たち都政を革新する会も、この署名活動に積極的に取り組んでいます。
 この署名に共産党や福士さんもぜひ取り組んでほしい。そして杉並区教育委員会を包囲する6月22日の闘いにぜひ立ち上がってほしい。
ところが、共産党はみずからは署名活動をおこなわず、それでいて「署名活動をやっているのは暴力集団」などと言って妨害に出ています。また、「都政を革新する会は教科書問題を選挙に利用している」などと言っています。しかし、教科書問題は都議選の最大の焦点(の一つ)ではないでしょうか。共産党のこうした対応は、さまざまな政治的立場・違いを超えた、「つくる会」教科書採択阻止の広範な運動の形成を妨害するものにほかなりません。

 

 2 起立・斉唱した福士さんは不起立の教育労働者にどういう言葉をかけるのでしょうか

 福士さんも、この「つくる会」教科書の問題についてきわめてあいまいな態度をとっています。
 そもそも福士さんは、来賓として呼ばれた今年の卒業式・入学式で「日の丸・君が代」に起立・斉唱でした。これは、ごくわずかな例外をのぞいて共産党議員も同じです。
 「福士さん、あなたは間違っている」と私たちは批判しましたが、その批判をまじめに受けとめようとはせず、ホームページの「日の丸・君が代についての考え」(以下たんに「考え」)で、「『アイツが立った、座った』の議論で終わらせてはならない」「それよりも、侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え、二度と同じあやまちを犯さない人々を育てるべきだと思う」などとはぐらかしました。
また、「式典に出席するからには、式次第に従う」(「考え」)と居直りました。これは、まさに「決められた式次第には従え」という形で「日の丸・君が代」を強制する都教委に対して、処分覚悟で不起立を貫いた教育労働者の必死の闘いを足蹴(あしげ)にするものです。
 福士さんは、「考え」ではっきりと「日の丸」には賛成と言っています。理由は、「日の丸を変えると、すべてを忘れやすい日本では、日の丸の旗を使って人々を戦争にかりたてた歴史も忘れられる」からというものです。これは、この「辛口フォーラム」第1話で指摘したように、「ナチスの侵略戦争を忘れないように、ナチスの旗を掲げ続けよう」と主張するに等しいものです。
 また、福士さんが「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝える」ことが本当に大切と思うなら、なぜ「つくる会」教科書採択に反対する杉並・親の会が進めている署名に取り組まないのでしょうか。あるいは独自の署名活動をおこなわないのでしょうか。
 こういう私たちの真摯(しんし)な批判と問いかけに対して、福士さんは「誹謗中傷だ」とか「私はいじめられている」などと不当に非難されているかのように描き出し、逆に都政を革新する会をやり玉にあげるというじつに老獪(ろうかい)な態度をとっています。はっきり言って姑息(こそく)です。率直に反省する気があるのでしょうか。

 

 3 自民・公明・民主は「つくる会」教科書採択推進

 今、石原独裁が浜渦問題をきっかけに大きく揺らぎ始めました。石原―浜渦独裁を放置してきたのは、共産党や福士さんも含めたすべての政党・会派です。腐りきったファシスト石原都政にひれ伏してきた無惨な結果として、浜渦のような人物をのさばらせてきたのです。
 危機に立つ石原知事は今や開き直り、「日の丸・君が代」強制の横山教育長を副知事にすえて、戦争をやるための教科書=「つくる会」教科書を杉並で全都で採択させようとしています。
 この「つくる会」教科書については、自民・公明・民主が推進しています。生活者ネットワークは、石原知事の都立病院をはじめとする大規模な民営化政策(尼崎事故を引き起こしたあの民営化=金もうけ第一主義です!)を支持していることに端的に見られるように、事実上の石原与党ですから、ときに批判めいたことを言うことがあっても一切信用できません。ですから、「つくる会」教科書にたいして闘うという場合、政党・会派としてはおもに共産党・自治市民(福士さんたち)・都革新が問題になります。

 

4 立場・違いを超えて「つくる」会教科書採択阻止の一点で力をあわせよう

 しかし、福士さんは、この春以来「私は別に反石原という立場ではありません」とか「面白いところもある石原都政」などと耳を疑うようなことを言ってきました。私たちの真剣な批判にも開き直っています。そして、「つくる会」教科書に賛成なのか、反対なのかということについて、いまだ正式にその態度を明らかにしていません。反対だとして、どのように行動すべきかを提起していません。01年の時以上に杉並で採択されてしまうかもしれないという重大な情勢の中にあって、です。
 共産党は、「つくる会」教科書採択阻止が焦眉(しょうび)の課題になっている現在において、右翼ファシスト勢力=「つくる会」やその「つくる会」教科書にたいする批判そっちのけで、それと闘っている者を声高に非難するという根本的にまちがった政治姿勢をますます強めています。
 福士さんも共産党も、そのような政治姿勢は早急に改めてほしいものです。そして、6月22日におこなわれる教育委員会包囲行動をともに闘ってほしいと思います。そして、その実践をつうじて、心ある区民が感じている疑念や不信を晴らす責任があるのではないでしょうか。
もし福士さんが今後ともぬらりくらりを通し、まじめな批判にたいして老獪な切り返しをもって対応するならば、私たちは、運動の将来とその発展をかけて、きっぱりと対決します。これは共産党にたいしても同じです。
 私たちは、「つくる会」教科書を採択させないために、多くの人々と手をたずさえ、あらゆる妨害に負けず全力で闘いたいと思います。

 

C

第3話 「介護の安心」が得られない共産党の「介護の安心」

05/06/15

 共産党はいま、『杉並区民新聞』(05年6月号外)という8ページの色刷りリーフレットを配布しています。そこでは、都政にかんする共産党の実績・提案・政策などが「日本共産党杉並地区委員会の見解」として発表されています。
 それにはいくつかの重大な問題がありますが、今回は「みなさんと実現します 3つの緊急提案」の中で言われている「介護の安心」についてとりあげてみましょう。

 

 1 高齢者からヘルパーさんを奪う介護保険制度の改悪絶対反対

 「介護の安心」は、次のように述べています。

 ねたきり高齢者への月1万円の介護手当
 特別養護老人ホーム、グループホームなどの増設
 シルバーパス3千円パス、5千円パスの発行
 老人医療助成の67歳以上の継続

 問題は、このように「介護の安心」を語りながら、現在国会で進められている介護保険制度の抜本的改悪について一言もふれていないことです。
 介護保険制度の05年改悪は、大きく言って二つの問題があります。
 第一は、比較的介護度の軽い高齢者(現在の要支援・要介護度1の人)からヘルパー派遣を奪おうとしていることです。要支援・要介護1の人は、要介護認定を受けている人の約半数で195万人です。しかし、改悪が通ったら、今後ともこれまでの生活援助を受けられるのは50万人ほどになってしまうと言われています。残り145万人のほとんどの人からヘルパーさんが奪われてしまうのです。
政府は「家事援助介護が要介護者の自立を阻害している可能性がある」などと言っていますが、このかん次々と明らかにされているように、それにはなんの根拠もありません。ただただ介護にかけるお金を減らすために言われているにすぎないのです。在宅の要介護高齢者から介護を奪い、筋力トレーニングをやって介護保険にかからないで済むようにしなさいというわけです。
 しかし、週に1回か2回、掃除や買い物や食事づくりを手伝ってくれながら、高齢者が元気になるように話し相手になってくれる生活援助介護は、とても大切な介護です。このような方々から生活援助介護を奪おうというのは、「保険あって介護なし」の介護保険制度の本質をむきだしにするものです。
 第二は、施設介護について、入所を要介護3(現在)以上に限定したうえに、食事代や部屋代・光熱費の全額自己負担制を導入しようとしていることです。入所の限定によって、今入所している人の半数が施設介護を使えなくなります。また、厚労省の試算でも最低月3〜5万ぐらいの負担増になり、低所得者は特養にも老健にも入所できないことになります。そもそも年金の削減、国保や介護保険料の引き上げのなかで、在宅の高齢者は食費まで削る生活を強いられつつあります。そのうえ、施設入所もできないという事態が強制されようとしているのです。

 

 2 ヘルパーさんを悪者にする厚生労働省のウソ!

 また、要介護の高齢者からヘルパー派遣を奪うということは、同時にヘルパーさんから職と資格を奪う攻撃でもあります。現在、26万人のヘルパーさんがいます。その多くが月額10万円にも満たない低賃金で、十分な身分保障もなく、直行・直帰の過酷な労働条件のもと、必死に介護労働をしています。
 厚生労働省は、このヘルパーさんたちに「不必要な介護をするから軽度の要介護者がかえって悪くなる」などと根も葉もない、事実とは正反対のウソを言って職と資格を奪おうとしているのです。
 また、厚生労働省は、「ケアマネージャーのプランが妥当でないため利用者の重度化をまねいた」「ケアマネジメントの適正化」などと、ケアマネージャーも悪者あつかいして、介護の給付をおさえようとしています。高齢者から介護を奪うためのウソは絶対に許せません。

 

 3 介護保険制度の改悪に反対し闘いに立ち上がりましょう

 この介護保険の05年改悪案は、この5月、自民・公明・民主の賛成によって衆院を通過しました。しかし、まだ参院があります。なによりも圧倒的な高齢者やヘルパーさんがこの攻撃に絶対反対の意志を表明して闘っています。闘い次第でこの改悪を大きく押し返す展望も十分にあるのです。
 ところが共産党は、さきほど見たように「3つの緊急提案」「介護の安心」などと言いながら、まさに緊急の課題であるこの問題を全然とりあげていません。衆院を通過したことをもって闘いをあきらめ、闘う意志を表明している多くの高齢者やヘルパーさんの熱い思いを裏切っているとしか考えようがありません。
 私たち都政を革新する会は、介護と福祉を要求する杉並住民の会とともに、今後とも介護保険制度の改悪絶対反対を掲げて、高齢者とその家族そしてヘルパーさんたちと手をたずさえつつ、街頭での署名・アピール行動、対区交渉・対厚労省交渉などさまざまな闘いを全力でおこない、なんとしてもこの改悪をくい止めたいと思っています。

 

 4 署名活動を「暴力集団」のやっていることと罵倒

 冒頭にも述べたように、共産党の『杉並区民新聞』(05年6月号外)には、それ以外にもいくつも重大な問題があります。今回はそのおもなポイントを指摘するにとどめ、別の機会に具体的にとりあげていきたいと思います。
 @自民・公明・民主など「オール与党」にたいする批判はあっても、ファシスト石原知事との対決ということがまったく出されていません。石原知事は、浜渦副知事問題で決定的危機に立ちグラグラになりながらも、横山教育長を起用してのりきろうとしています。横山教育長は、石原知事とともに教育労働者に「日の丸・君が代」を強制してきた元凶(げんきょう)であり「ヒトラー」と呼ばれている人物です。東京で「つくる会」教科書導入の先頭に立っている人物でもあります。都政の問題を論じながら、この決定的に重大な問題を避けて通るというのはどういうことでしょうか。
 Aこのかん強調していた「日の丸・君が代の押しつけやめよ」を降ろしてしまいました。共産党の都議・区議らは、この「辛口フォーラム」の第2話でも言及したように、来賓として招かれた卒・入学式などで、ごく一部の例外をのぞいて全員起立・斉唱というていたらくです。教育労働者の場合とは異なり、なんの処分の恐れもないのにです。このことを内外から指摘されて、都合が悪くなったということでしょう。しかし、共産党には、口では「日の丸・君が代」強制反対を叫びながら、実際には起立・斉唱するという、言っていることとやっていることがまったく違うということについて、はっきりと釈明する義務があります。
 B「つくる会」教科書採択反対の署名活動を「暴力集団」のやっていることと罵倒(ばとう)していることです。この署名は、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会が呼びかけているものです。そして、この署名には、親の会はもとより介護と福祉を要求する杉並住民の会をはじめ多くの団体・個人が続々と取り組みをおこなっています。都政を革新する会も取り組んでいます。
共産党は、上で取り上げた『杉並区民新聞』で今回初めて「侵略戦争美化のつくる会「歴史教科書」採択に反対」を入れました。「3つの緊急提案」の「子育ての安心」の最後の項目にです(でも、あえて「歴史教科書」のみを言うということは、「つくる会」公民教科書には賛成ということですか?)。しかし、なんの署名活動も呼びかけていません。この6月にも採択が内定してしまうかもしれないという決定的な情勢にあって、署名活動もなんの行動方針もうち出さないというのはいったいどういうことでしょうか。深い疑問を感じざるをえません。

 

 5 とめよう「つくる会」教科書、うばうな介護と福祉

 共産党のみなさん! 右翼ファシスト勢力=「つくる会」やその「つくる会」教科書にたいする批判そっちのけで、それと闘っている者を声高に非難するような政治姿勢は根本的にまちがっていると言わざるをえません。そのようなゆがんだ姿勢を早急に改め、さまざまな違いをのりこえて「つくる会」教科書=戦争のための教科書の採択阻止のために広範な共同戦線を形成しましょう。事態は切迫しているのです。
そして、参院段階での攻防に移った介護保険制度の改悪問題についても、多くの高齢者およびヘルパーさんら労働者の団結した力で、これを断固阻止するたたかいを推し進めましょう。介護保険制度の改悪を推進する「高齢者の敵」=自民・公明・民主は、今のところ国会では多数をもっています。しかし、真の多数派はそれに反対する私たち労働者民衆なのですから。

 

B

 第2話 共産党と福士さんは、なぜ「つくる会」教科書と闘わないのか?

05/06/09

 1 「二度と同じあやまちを犯さない人々を育てる」ために今なにをするべきか

 前回の第1話では、「『日の丸』賛成―『式次第に従う』と公言した福士さん」をとりあげました。そこで私たちは、「日の丸・君が代」起立の福士さんが、その言い訳として次のように述べていることを引用しました。すなわち――
「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え、二度と同じあやまちを犯さない人々を育てるべきだと思う。それが近隣諸国へのつぐないだと考えている。『アイツが立った、座った』の議論で終わらせてはならない」(福士敬子ホームページより)
 そして、これについて「大切なことを言っていますが、問題は『では、そのために今何するべきか』ということです」と指摘しました。今回はそれについてです。

 

 2 「つくる会」教科書="戦争で国のために命を投げ出す"ことを教え込む教科書

 今、東京・杉並では、「新しい歴史教科書をつくる会」(「つくる会」)が編集した歴史・公民教科書の採択が狙われています。「つくる会」教科書は、"戦争で国のために命を投げ出す"ことを中学生に教え込む教科書です。
 歴史では、戦争の加害も被害も消し去って戦争を美化し、公民では、憲法と平和・人権・民主主義を攻撃し、男女平等すら否定。天皇・国益を強調し、戦前の日本にもどそうとしています。
この「つくる会」教科書採択を全面的に推進しているのが、「中国と戦争を」とあおる石原知事と「『大東亜戦争』は自衛戦争」と叫ぶ杉並の山田区長です(詳しくはリーフレット「子どもを戦争にかりたてる「つくる会」教科書の採択を阻止しよう!」をご覧ください)。
政党では、自民・公明・民主がこの教科書の採択を積極的にバックアップしています。自民・公明・民主は、この5月、要介護の在宅高齢者からヘルパーをうばう介護保険法の改悪を衆院通過させて、多くの人々から「高齢者の敵」と指弾されました。このように、自民・公明・民主は、国政でも都政でも戦争政治=社会保障解体・福祉切り捨ての政治を推進しています

 

 3 「つくる会」教科書採択阻止を闘わない共産党と福士さん

「つくる会」の教科書採択に反対する杉並親の会ホームページ これにたいして、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会をはじめとする区民の皆さんが、採択反対署名を懸命に集めています。この署名は今、区内外で大反響を引き起こしながら大きく拡大しています。都政を革新する会も、その署名活動に積極的に協力・参加しています。
 ところが、この「つくる会」教科書の採択阻止についても、そのための署名活動についてもまったく取り組んでいないのが共産党であり福士さんであり、生活者ネットワークです。生活者ネットワークは、石原知事の危険な民営化路線に自民・公明・民主とともにもろ手をあげて賛成し、石原・浜渦予算にすべて賛成してきた事実上の石原与党ですから、この問題をとりあげないのも当然でしょう。
 問題は、「唯一の野党」とか「一人でもNO!」とかを掲げてきた共産党や福士さんがこの問題を全然とりあげていないことです。
福士さんは、さきほども紹介したように「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え、二度と同じあやまちを犯さない人々を育てるべき」と言っています。
ところが、私たちが今迎えている状況はどうでしょうか。それは、まさにその「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え(る)」こととはまったく逆のこと、つまり過去の侵略戦争を美化し、新たな侵略戦争に子どもたちをかりたてていこうとする「つくる会」教科書が、まさにこの6月過程で採択されてしまうかもしれないという重大な情勢です。にもかかわらず、福士さんは、この闘いを全然取り組もうとはしていません。それどころか、6月9日の時点でビラでもホームページ(「政策」)でも一切とりあげていません。
「『日の丸・君が代』強制に反対」と口では言いながら、実際には「式典に参加するからには、式次第に従う」と言って、その強制に応じて、闘う教育労働者を裏切る福士さん(教育労働者と違って処分の恐れがないのに!)。そして、その点を問題にされると、『アイツが立った、座った』の議論」よりも「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝える」ことが大事とかわし、実際にはそのための焦眉(しょうび)の課題である「つくる会」教科書の採択阻止をまったく取り組もうとしない福士さん。
いったいこれは何なのでしょうか。こういうことをして、議員として、いや人間として恥ずかしくないのでしょうか。どこに政治家としての、いや人間としての誠実さと信念があるのでしょうか。
福士さんについて述べたことは、まったく同じように共産党・吉田信夫さんにもあてはまります。みずからも以前は他党と一緒になってやっていた「豪華海外視察」にたいする大々的な批判はおこなっていても、「つくる会」教科書問題については、この時点でビラでもホームページでも一切とりあげていないのです。

 

 4 「日の丸・君が代」で起立・斉唱する共産党議員

共産党は、他の都議会会派を「オール与党」と呼び、あたかも「唯一の野党」のようにふるまっています。しかし、けっして「石原打倒」を言いません。石原知事が「命がけで憲法を破る」とクーデター宣言をしたときも、ヤジと怒号で知事を激しく弾劾するどころか不甲斐ないことにおとなしく引き下がってしまいました。15人も都議がいながらです。それに、「日の丸・君が代」の問題については、都議選のビラなどでは「押しつけ反対」などと強調しながら、福士さん同様、共産党の都議・区議らは来賓として招かれた卒・入学式などで、ごく一部の例外をのぞき、こぞって起立・斉唱という裏切り的なていたらくです。一体なんということでしょうか。要するに、ファシスト石原知事や横山教育長(浜渦副知事に代わって筆頭副知事に昇格することが内定している)との正面対決を一貫して避けてきたのです。共産党が「つくる会」教科書採択阻止の闘いから逃げているのも、このためです。

 

 5 政治的立場をのりこえて、ともに全力で「つくる会」教科書の採択阻止へ

 私たちは、以上のような厳しい、しかし真摯(しんし)な批判をとおして共産党や福士さんに根本的な反省を求めたいと思います。そしてその反省の上に立って、「つくる会」教科書の6月採択阻止へ向けて、政治的立場をのりこえてともに全力で立ち上がることを強く訴えます。

 

A

第1話 「日の丸」賛成―「式次第に従う」と公言した福士さん

05/06/06

 

 1 「日の丸・君が代」の強制と教育労働者の闘い

 ファシスト石原都知事とその忠実な手下=横山教育長は、今春の卒・入学式において昨年に続き「日の丸・君が代」を、処分をふりかざして強制してきました。それは、「中国と戦争せよ!」とあおる石原都知事が、戦争で実際に戦える日本人をつくり出すために、まず都の教育から変えていこうとする狙いをもつものです。戦前において「皇軍兵士」をつくり出すのに絶大な力を発揮した「日の丸・君が代」の行事・儀式での有無を言わせぬ徹底的強制、これをそのまま復活させようとするものです。
 これにたいして、都高教(東京都高等学校教職員組合)のたたかう労働者をはじめ多くの教育労働者が、処分覚悟で不起立決起を貫きました。そこでの教育労働者の思いは、たとえば次のようなものです。
 「都教委は『10・23通達』にもとづく職務命令によって、憲法9条で保障されている思想・良心の自由を奪い、人間の尊厳を無視した卒業式を強制してきました。私は卒業学年の担任だったのですが、この強制・強行を無批判に受け入れた場合には、生徒の信頼関係が崩れる。いわんや、生徒にたいして基本的人権を語る資格を失うだろうということで、卒業式に不起立で臨んだ次第です」(不起立者Aさん 3月末の都教委による処分発表を受けた被処分者の記者会見にて)
 「教育労働者は『再び過ちを繰り返さない』『教え子を戦場に送らない』と言って歩んできたわけで、しかし今、イラクの戦場に行っているわけです。この事態がどんどん進んでいくというなかで、私としては、自分が教えた子どもたちが殺されたくはないし、殺す側にもさせたくないと強く思っています。だから今、私ができる最大限の、子どもたちにたいする責任だと思って、絶対にこれは曲げられないと思ってすわりました」(不起立者Bさん 上に同じ)

 

 2 福士さんの苦しい弁明と言い訳

 福士さんは、こうした闘う教育労働者にたいして連帯のアピールを発しながら、今回みずから認めているように来賓として呼ばれた卒業式・入学式の双方で「日の丸・君が代」に起立しました。そのことは、当然にも他の来賓や保護者の目にとまり、そのことが今福士さんたちのところで大問題になっているようです。これにたいして、福士さんは、ホームページで次のように弁明し言い訳しています(@〜Dのまとめ方は都革新ホームページ編集部によるもの)。

 @ 「日の丸・君が代で、右翼系のみならず、左翼系の人々も他人を監視し、誹謗中傷を始めた。私もターゲットらしい」
 A 「03年10月に出た教育委員会の通達による一番の問題点は、日の丸、君が代の是非よりも、右も左もお互い同じように人々を監視し、中傷を始めることにある」
 B 「私も天皇の御代をうたうのは論外であり、国歌は変えるべきだと思った。しかし、日の丸を変えると、すべてを忘れやすい日本では、日の丸の旗を使って人々を戦争にかりたてた歴史も忘れられるのではと心配した。今もその想いは変わらない」
 C 「侵略戦争を行ってきた日本の歴史を正直に子どもたちに伝え、二度と同じあやまちを犯さない人々を育てるべきだと思う。それが近隣諸国へのつぐないだと考えている。『アイツが立った、座った』の議論で終わらせてはならない」
 D 「私は、冠婚葬祭に出席した場合は、神式、仏式、キリスト教いずれも、その式次第に従ってきた。それが無節操と言われれば仕方がない。同様に式典に出席するからには、式次第に従う」

 @とAは、明らかにずいぶんおかしなことを言っています。しかし、ここではひとまずそれを指摘するにとどめます。Cは大切なことを言っていますが、問題は「では、そのために今何するべきか」ということです。これらについては、また別の機会にとりあげたいと思います。
今回は、BとD、とくにBの「国歌は変えるべきだが、国旗は変えるべきではない」について見てみましょう。

 

 3 侵略されたアジアの民衆の、胸の張り裂ける思いをどう受けとめるのですか

 「日の丸」に賛成する福士さんは、その理由として、「日の丸を変えると、すべてを忘れやすい日本では、日の丸の旗を使って人々を戦争にかりたてた歴史も忘れられる」から、ということをあげています。福士さんのこの主張を、ドイツにあてはめるとどうなるでしょうか。
第2次世界大戦後、ドイツでは、ナチス時代に国旗の代わりに使われていた「鉤十字(ハーケンクロイツ)」は使用禁止、「世界に冠たるドイツ」と歌った国歌の歌詞も変更されました。ハーケンクロイツだけでなく、ナチスを表現するものを公共の場に持ち出すことは法律で禁じられています。
 これにたいして、福士さんの主張は、「ナチスの侵略戦争を忘れないために、ナチスの旗を掲げつづけよう」ということにほかなりません。もちろん、このような議論は、ドイツでもヨーロッパでも世界でも絶対に認められることはありません。大変な暴論です。
「君が代」についてはしばしば、「『君が代』の『君』は天皇のことではなく、『あなた』と考えればいいじゃないか」といった議論で肯定する向きがありますが、福士さんの「日の丸」についての主張は、それと似たまったくの屁理屈です。
 第2次大戦中の日本の侵略戦争によって、2千万以上のアジアの民衆が殺害されました。戦争で傷つけられ戦後を苦しみながら生きぬいてきた人々、家族・友人・知人が殺され傷つけられた人々は膨大な数にのぼります。また、朝鮮をはじめ多くのアジアの国々から若い女性たちが、あるいはだまされあるいは暴力的に軍隊慰安婦として徴用されました。
 そのような方々は口々に「日の丸を見ると当時を思い出して血が逆流してしまう」「絶対に嫌だ。やめてほしい」と言っています。このような方々の血の叫び、胸の張り裂けるような思いを福士さんは一体どのように考えているのでしょうか。侵略された側のアジアの民衆との真の連帯と友好ということを、福士さんは一体どのように考えているのでしょうか。

 

  4 「日の丸・君が代」強制に口では反対、実際には推進

 「日の丸・君が代」を強制して戦争に突き進む石原知事(や小泉首相)と一緒になって「日の丸」を推進しつつ、しかも「式典に出席するからには、式次第に従」いつつ(ということは、「君が代」も歌っているわけですね)、"やっていることは同じでも、私の思いは小泉さんや石原さんとは違う"などと弁明して果たして通るとでも思っているのでしょうか。そんなことは絶対にありません。
 福士さんの深い反省を求めたいと思います。

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