都労連の闘いを支援し全都民の力で石原提案の全面白紙撤回へ
石原知事の「財政再建推進プラン」による向こう3年間にわたる都職員全員の賃金4%削減、期末・勤勉手当10.55%削減に対して、都労連(東京都労働組合連合会)は、11月12日第1波、11月17日第2波のストライキを配置し、不退転の反撃に立ちました。おいつめられた石原知事は、2波スト決行直前の17日未明、財政危機の原因と責任を認め謝罪し、人事委員会勧告の完全実施、賃金削減期間を2年間に短縮することを誓約しました。これからが、都労連と都民の石原都政との闘いの本番です。
「独裁者」石原都知事を痛撃して「謝罪」させた
今回の99年賃金確定をめぐる労使の攻防で一番大事な点は何でしょうか。
長谷川 「独裁者」と都職員の間でもいわれてきた石原知事の心胆を寒からしめ、労働組合の一糸乱れぬ団結の力で追いつめたのです。この一事にくめどもつくせぬ最大の勝利、宝ともいえる教訓があると思います。
確かに石原知事の「財政再建推進プラン」は全部撤回されたわけではない。その骨格はほとんど丸ごと維持されたままです。また第2波ストライキは中止されたけれども、今回の「スト中止」や「交渉妥結」は、都労連はいつでもストライキをやるぞ、闘いはこれからだという、いわばストライキ決行権というカードをガッチリ手にしての、ひとまずの「中止」であり「妥結」だということです。
石原は、労働組合(都労連)の闘いにふるえあがり、本心はまったくそうでなくても「都と私の責任です。謝罪します」と財政危機の原因と責任を認め「謝罪」せざるを得なかったのです。未明交渉で「謝罪」したときの石原は、ほとんど泣きっ面だったといいます。
他方、10波の総決起集会と1波のストライキ決行、2波目のストライキ決行態勢という、総力で闘いぬいた都労連は、元気いっぱいです。優位に立ったのは、都労連と都民の側です。
だからマスコミは流さなくても、「謝罪」したというのは、石原の都民施策切りすてに反対して闘ってきた福祉団体や「障害者」団体にも、またたくまに伝わりました。石原に「財政再建推進プラン」と「新福祉施策」そのものの撤回を要求する諸団体の行動が強力に開始されました。
「都庁に赤旗をたてさせるな」―これは労働者階級と労働運動を憎む石原知事のモットーでした。その都庁で、しかも天皇即位10周年式典の当日に、中央モールをうめつくす労働組合の闘いがまきおこり、組合を支援する都民のエールが大きなウエーブとなって組合に寄せられた。
この闘いに石原は、グラグラになったのです。都労連支援・石原反動都政批判の先頭にたってきましたが、これほど痛快で、感動的なことはありません。「独裁者」石原は、「裸の王様」なんです。これが今回の闘いで突き出された。闘えば勝てるということです。
いのちと暮らしを犠牲に新たな税金の無駄遣い
財政危機の責任が都にあると石原知事が認めた以上は、「財政再建推進プラン」を白紙撤回せよということに、当然なりますよね。
長谷川 その通りです。だから、あらためて「財政再建推進プラン」をもっともっと広範に暴く必要があります。都職員に対するリストラ・賃下げ攻撃と都民に対する福祉・教育などの都民施策切りすては一体です。銀行・ゼネコン・大企業のための公共事業に何億、何兆という税金をつぎこむ石原プランをもっともっと批判していくことです。
今回、都労連が100万枚、都庁職が150万枚のビラをまき、「財政再建推進プラン」のわかりやすい暴露と批判に全力をかたむけました。都労連のていねいな資料を添えたアンケートに対して、都労連を支持し「財政再建推進プラン」に反対と回答した人は圧倒的に多かったと聞いています。「財政再建推進プランの白紙撤回」を都労連だけでなく、私たちの闘いで全都民の主張にしていく必要があります。
「財政再建推進プラン」との対決点をあらためて整理すると。
長谷川 石原は、都が年6200億円の財源不足におちいっているということを理由に「財政削減に聖域なし」といい、「都の内部努力」といって、都職員5000人削減、向こう3年間にわたる1人平均年43万円の賃金カット、「都民に痛みを強いる見直し」として138事業の削減を打ち出しました。
138事業とは、特養ホーム補助の廃止、シルバーパスの削減、「障害者」福祉手当の削減など、私たちのいのちとくらしを直撃するものばかりです。この事業削減で2400億円を捻出するといっています。
だが、おかしいじゃないですか。石原知事は巨大な「聖域」を守り、拡大しようとしています。
たとえば、買い手なしの東京スタジアムの買い取りに400億円つぎこむ。もともと都がただで第三セクターに払い下げた「有明の丘」の買いもどしに2880億円をつぎこむ。財政危機の元凶となった臨海副都心開発を維持し、さらに、これまでの22倍の地域を対象にした、新たな「臨海整備」に2兆円もつぎ込もうとしています。
ほかにも、東京国際フォーラムや江戸博物館などの巨大ハコモノ事業、多摩モノレールなどあげればきりがない。
ここにつぎこむ金を138事業にまわせば大きなお釣りがくる、逆にもっともっと福祉・教育・都民施策は充実させられます。職員の人員削減や賃金削減も全然理由はない。そもそも、都民施策や職員の賃金が、都財政危機を招いたわけではまったくなく、臨海副都心をはじめとした公共事業が都財政に大きな穴をあけたのです。
「財政再建推進プラン」は、その財政危機の責任を都職員と都民になすりつけ、もっと野放図な税金の無駄づかいを行うものなんです。
何のため臨海整備2兆円 広域環状道7兆円も使う
石原は「財政危機」を叫んでいる当事者でありながら、とんでもないプランを策定しようとしているということですね。
長谷川 先にあげた臨海部を整備するといって、幕張メッセ(千葉)から臨海副都心、みなと未来(横浜)までをつなぐ大開発に2兆円を投入しようとしています。最先端の情報・通信産業、優良ベンチャー企業の誘致・集積とか観光コンベンションとかいっている。
さらに、「首都機能移転」への対案というかたちで、さかんに7都県市「人口3300万人を擁するメガロポリス」という新首都構想を考えていて、その要に、広域環状道路の完成をあげています。「首都機能移転に13兆円つぎこむくらいなら、7〜8兆円ですむ外郭環状道路(外かん道)の完成、首都圏中央環状道(圏央道)の完成にまわすべきだ」といっています。
新臨海部整備計画と広域環状道は、7都県市という石原の新首都構想の目的である「日本経済の再生の起爆剤」という勝手なバブル型夢想だけではない。石原は、成田平行滑走路早期完成と羽田空港の国際化、横田基地の日米軍民共用も、この新首都・7都県市構想の中に位置づけています。
今年9月1日に実施された「南関東大震災」を想定した自衛隊参加の防災訓練、来年9月3日には自衛隊の陸海空3軍による統合大演習を行う、そのベースに7都県市の枠組みがあります。
なぜ石原は、臨海にこだわり、成田・羽田・横田にこだわり、広域環状道の強行突破を急ぐのか。そのために財政危機をかえりみず莫大な金をつぎ込むのか。石原は、新首都東京の海、空、陸(道)をおさえようとしているのです。だから、志方を都の参与にすえて統合演習をやろうとしています。志方はビッグレスキューという軍事演習を自衛隊北方方面監として実施した実績があり、そのやり方から統幕幹部にするとクーデターをおこすおそれがあるとしてはずされた人物です。
石原は、東京を軍都にしようとしています。だから、都労連を目の敵にして、たたきつぶすためにおそいかかってくると思います。「財政再建推進プラン」反対・都労連支援の闘いは、東京を軍都に、首都圏全体を基地にする攻撃に反対し、戦争に反対する闘いです。 |