「障害者」に「人格ない」「安楽死」 許しがたい差別暴言があいつぐ
9月17日、「重度障害者」の施設である府中療育センターを視察した石原知事が、記者会見で「ああいう人ってのは人格あるのかね」「安楽死につながるんじゃないか」と差別暴言を行いました。これに対し新聞投書をはじめ、「障害者」やその家族、福祉現場の労働者から抗議の声があがっています。
「障害者」差別を許さない 「安楽死」発言を糾弾する
石原知事は、福祉切り捨てや都の職員の人員削減・賃金カットを次つぎ打ち出しています。そこで「障害者」や高齢者の福祉打ち切りが焦点になっている中で、この暴言ですが、みんな怒っています。とんでもない暴言をどう考えますか。
長谷川 怒りなしには聞けない発言です。翌日の新聞に、府中療育センターの付属施設の催しに、4年間演奏者として参加しておられる、杉並在住の方の投稿が載っていました。そこには、「重度の障害で身体的表現能力がないからといって、彼らに人間としての尊厳や感動する心がないわけでは断じてない。ただ表現できる手段が限られているだけなのです。石原都知事の発言が、どれだけ優しい人々を傷つけたか、胸が痛みます」と書かれていました。重みのある批判です。しかし石原には、この人が言っていることは全然理解できないだろうと思います。
「障害者」とその家族、介助・介護で働いている労働者や支援者は、「障害者」への差別・偏見と闘いながら生きています。差別・偏見への無知・無理解と懸命に闘いながら、がんばっています。そういう中で、最初は容易には交わらなかったコミュニケーションの「壁」をこえ、「障害者」の主体性と豊かな自己解放的な生き様に学んでいます。
最大の問題は何か。人たるもの、みな生きる権利を持っている。またその、人としての生存を支え、助け合い、守りあっていくのが社会の責務です。この立場に立っているかどうかです。
石原知事の「障害者」福祉や高齢者福祉の切り捨て・打ち切りの根本には、「障害者」や高齢者は「生きている価値がない」「支えていく必要もない」という本音がある。だから、「安楽死させろ」、福祉も「無駄だから打ち切る」という言葉や施策がでてくる。これが核心だと思います。
これは、ナチス・ヒットラーの閣僚だったワーグナー保険大臣が「『障害者が多大な努力と莫大な出費とひきかえに育てられ、扶養されることは意味がない」と言って「障害者」27万5千人を殺した考え方と同じです。
介護保険の実施にあわせ 特養ホーム補助うち切り
お話を聞いていて、似たことを、「老人福祉などというのは枯れ木に水をやるようなものだ」と言ったのを思い出しました。
長谷川 石原が国政に出たとき、最初にバックになったのが中曽根のグループです。石原もまったく同じ思想です。いま政財界のもっとも深部にある本音がむきだしに出てきたともいえます。つい先日の石原の「貧乏人は麦を食えというのはけだし名言」というのにもあらわれています。
話を福祉の問題にもどすと、石原は9月定例議会でも「現行制度を維持していけば、増大するニーズにこたえられないばかりか、社会の活力を損なう要因にもなりかねない」と言ってます。「社会の活力を損なう」、つまり「金にならない」から切って捨てる、そこに財政を支出するのは「無駄金だ」という考えなんです。
だから9月に都は、介護保険制度の来年4月導入にあわせ、これまで民間の特別養護老人ホームに支出してきた約200億円の運営費補助を来年度から廃止することを決めました。全国に先がけて。
石原の都知事就任後の8月に出された「福祉施策の新たな展開」では、「重度心身障害者手当、心身障害者福祉手当、心身障害者医療費助成制度」の削減方針を打ち出しています。さらに府中療育センターなど「障害者」の医療施設にかかる予算打ち切りをねらっています。そのための「視察」であり、あの暴言なのです。
石原は、老人福祉手当や「障害者」福祉手当なども打ち切る、全廃にすると思います。絶対に許せません。
公務員ヘルパーを首切り 福祉を営利企業に委ねる
福祉切り捨ては現場の福祉労働者にも深刻な影響をもたらしますが。
長谷川 福祉切り捨てとは、高齢者・「障害者」をはじめ、介助や支援を必要な人の切り捨てであると同時に、福祉事業打ち切りによる人員削減・リストラです。千葉の館山市では、公務員ホームヘルパー26人が首切りです。杉並区でも、公務員ヘルパー37人の削減、百数十人規模での登録ホームヘルパーの公社へのあっせん・ボランティア化が強行されようとしています。
石原は、介護保険制度で、福祉を金で買うものに切りかえ、民間営利企業に委ねるということを積極的に主張しています。つまり自治体が保険の運営主体だけれど、実際には、介護を営利企業にあっせんするだけです。だから公務員ホームヘルパーはいらないということになる。
介護保険は、福祉切り捨て、高齢者・「障害者」切り捨て、労働者の首切りの最先端・基軸の攻撃ですから、何が何でも中止に追い込む必要があります。高槻市や東大阪市でも闘いが始まっています。私たちも「ストップ介護保険10万人署名運動」を、この杉並で全力ですすめましょう。ここが勝負です。
府中療育センター視察後の記者会見での石原の「安楽死」暴言
「ああいう人ってのは人格あるのかね」
「こういうことをやっているのは、日本だけでしょうな」
「これだけ手厚い手当をしながら入所者の症状に回復可能性がない」
「ああいう問題って安楽死につながるんじゃないかという気がする」
(9月18日付「朝日新聞」)
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