「都財政再建計画」の中身とは職員と公共サービスの切り捨て
石原慎太郎都知事の就任から1カ月、この6月下旬には定例都議会も始まります。そこで都知事選・都議補選の時から、正面きって石原知事を批判してきた長谷川英憲さんに、石原都政について大いに語ってもらいました。
平気で「公営ギャンブルやる」「一桁思い違いしてた」と放言
石原知事は、とかくマスコミをにぎわしていますが、ズバリ、どう見ますか。
長谷川 知事当選直後から、都政を革新する会として「石原反動都政」とはっきり規定し、「働く者の団結と都民の要求で打ち破ろう」と呼びかけてきました。都庁でも、この都革新のビラは職員の人によく読まれています。
「国にノーといえる東京を」などと、あたかも「国政と都政の変革」をやるかのようなスローガンをかかげて当選しましたが、彼の言動の中に危険なものを直感し、危機感と怒りを感じているからそうなのだと思います。とくに石原知事は、都職員の人員削減を掲げ、就任直後から「新規採用を3分の1」「いらないものはきる」と大リストラを公言していますから、都の職員にとってはなおさらです。
この危機感は、石原知事の姿勢に、ほとんどの人びとが感じていることではないでしょうか。派手なだけで、政策内容は、いいかげんきわまりない。
たとえば、「財政危機打開のためには何でもやる、公営ギャンブルとかカジノとかおおいにやったほうがよい。カジノは本気だ」とかいう類。あるいは「財政再建のために都の保有する株と土地を売却するのが一番と思っていたが、調べてみると都がからんでいる第三セクター関係ばかりで甘くはない。立候補当時計算したときより一桁小さい、思い違いしていた」というようなことを平気で言ってます。
この石原知事が「中小企業向けに債券市場を設け、アメリカのノウハウで電子商取引をやる」とか「都の土地を証券化する」というようなことを、プロジェクトを作って派手に発表しています。無責任で危険というだけでなく、とにかくこんな輩に都政を任せておくわけにはいかない、ということに当然なります。
バブルの張本人がそのツケを平然と都民と都職員にまわす
都は、いま4200億円という財源不足をかかえています。石原知事の「都財政再建計画」ということが出ましたので、今回はそこを中心にうかがいます。石原知事は、結局どうやろうとしているのでしょうか。
長谷川
「財政再建」の目玉として、石原知事が言う「土地の証券化」とか「中小企業向け債券市場」とか「公営ギャンブル」とか、その考え方そのものを批判すべきです。しかし、石原知事自身も本筋はそこにおいていない。
石原知事が都知事選に立候補したときに、マスコミのインタビューに対して「財源確保について地方消費税引き上げ、そのための消費税引き上げは不可欠」と言っています。とんでもない話です。さらに「交通、水道、教育、病院、福祉などの業務のほとんどは民間派遣企業に外部委託する、最終的には民営化するのが、都の財政再建策としての基本」と言っていた点が柱になっていると思います。知事選前だったから、露骨に「人員削減」という反感を買う言葉は使っていませんが、結局、リストラー民営化ー公共サービス切り捨てです。公共サービスを民間企業の営利をめぐる競争に投げ出すということです。
これが、「都財政再建」という形を取りながら、都で働く職員と石原知事都政の対決点、さらに公共サービスを切り捨てられる都民と石原知事都政の対決点になります。これは、じつに大きい問題で、都革新としても、都の戦争協力拒否の課題や介護保険制度中止の課題などともからみあった、最大テーマとして取り組んでいきたいと思います。
臨海副都心開発やハコモノ公共事業が財政悪化の原因だということが社会的に明らかになっているのに、都財政危機の解決に消費税引き上げ、人員削減や減給、公共サービス切り捨てをもってするというのは大問題ですね。
長谷川 その通りです。石原知事は「全部、青島知事の無為無策がもたらした」などと言っていますが、石原知事がやろうとしていることは、バブルをあおる政党に身をおいていた張本人が、バブルの負の遺産である都財政赤字について、そのツケを都の職員と都民にまわすということですからね。
数千億円という財源不足額は、何千人、何万人の職員を人員削減、つまり首切りすれば、どれだけ解消するか、交通・水道・病院・教育・福祉などの公共サービス部門での都の出費をどれだけ減らせば、どれだけやりくりできるか、こういうことしか考えていない。
石原知事は、「このままでは東京が倒産する、首都が滅びる」とさかんにあおって、この「財政削減計画」を正当化しようとしていますが、中身は、「地方自治体」「地方公共団体」をなくすというに等しいことです。しかし石原知事が思い描いているようには、事態は絶対に進まない。とんでもない無理があるからです。さらに一番大きなことは、都で働く者、私たち都民が黙っていないからです。
都営地下鉄12号線計画の破綻
税金食いつぶす”第2の臨海”
無理があるとは。
長谷川 たとえば、いま゛第二の臨海副都心開発問題”という形で、都営地下鉄12号線の借入金償還計画の破綻問題が表面化しています。建設費が6826億円と予定され、第3セクターに都は無利子で2000億円、金融機関が4826億円(有利子で20年間で6500億円にして返済)を融資という枠組でやってきました。ところが、建設費が3000億円も上回って、地下鉄工事自体がパンク寸前です。
これを都はどうするのか。それは石原都政が決めなければならない。ごまかしは許されません。石原知事の先の政策だと、都営交通の民営化ということになりますが、3000億円のいわば「持ち出し」をして、しかも利用者数もせいぜい50万人という路線をはたして、民間といえども、どこが買い取るでしょうか。
石原知事は政治実績もなければ経済のしくみも知らない。だからこそ出てくる発想です。さらに石原知事が融資してくれる企業を運良く見つけ、民営化するとしたら、「あらかじめの赤字路線」ですから、企業は当然、都営並ではない運賃値上げをやらないと採算がとれない。これは、利用者=都民の怒りを当然引き起こします。何よりも、民営化以前に都交通局の労働組合をつぶす以外に通らない話です。これにだまって従うほど、組合も都民も無力ではありません。
労働者民衆みくびる反動石原知事 闘いにたちあがれば必ず勝つ
長谷川 いま都営地下鉄12号のことで話しましたが、石原知事の都財政再建=民営化・首切り・都民サービス切り捨ての計画については、全領域で、こうした問題が起きるわけです。つまり、組合と都民の両方から反乱が起きます。
石原都政に対して、どう闘うかで、かなり重要な点ですね。
長谷川 石原知事は、政治家として、労働組合や住民の運動と真正面からぶつかったことがない。だから、勝手に頭の中で安直に思いついたことで、万事うまくいくとタカをくくっているのです。労働者民衆をみくびっている。もっと言えば本当は対決をおそれているのです。
私たちが、「働く者の団結と都民の要求で石原反動都政をうちやぶろう」と主張するのは、頑張れば勝てる、そこに石原知事の弱点があり、私たちが勝てる確信があるから、そう言っているのです。 |