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> - 案内 杉並区議会報告 05年杉並区議会第2回定例会一般質問(6月8日)新城せつこ 05/06/11

石原知事に挑戦状 とめよう戦争教育 うばうな介護


05年杉並区議会第2回定例会一般質問(6月8日)

 都政を革新する会 新城せつこ

【質問内容】

[1] 区長の政治姿勢について

@ 沖縄戦の終結の日を前に、区長は沖縄戦についてどのように認識されているか。
A 「集団自決は、軍の命令ではなく自発的なものであった」と「つくる会」教科書執筆者の藤岡信勝氏が主張。

[2] 区長による教育行政への介入と教育行政のあり方にについて

@ 山田区長の教育施策が、現場教職員の意向を無視し、教育委員会での報告や議論もないまま、区長−教育長によって強権的に推進されている点。
A 区長は教育長に対する指揮監督権を有するのか否か。
B 区長の進める「区長命令による教育行政」は
C本年2月に行われた学力調査について。
D 教育委員会には体力調査について。
E 教育長は区長の命令に服従する義務を負うのか。
F 北九州市教委による「君が代」不起立者への減給処分の取消しを命じた福岡地裁の判決について。

[3] そこで、教科書採択問題について伺います。

@ 「つくる会」教科書は、アジア侵略戦争がアジア解放のための戦争だったと。教育長の見解を。
A 教育長の沖縄戦に対する歴史認識を。
B 大日本帝国憲法は民主的なよい憲法だったのか。また、教科書の中で憲法の改定など政治的主張を行う教科書について、憲法・教育基本法を守るべき教育長はどのように思うか。
C 「国防の義務」を説いているのです。これは、現憲法の改正をねらい子どもたちを戦争に誘導するものだと思うが。
D 教育委員会が「チャンネル桜」の主催する集会を後援するということは採択の公正・公平に疑念を抱かせる。

[4] 9.4総合防災訓練と生徒・保護者・教職員の動員について

@ 防災教育や防災訓練に名をかりて武力攻撃事態・緊急対処事態を想定した啓発や訓練を行うことは、憲法・教育基本法の下で許されるはずはない。
A 「安全で災害に強いまちづくり」にいう「災害」には、戦災すなわち国民保護法が規定する「武力攻撃災害」も含まれるのか。
B  「防災教育」の「防災」には、「武力攻撃災害」も含まれるのか。
C 防災教育と称して国防教育を行い、防災訓練と称して軍事教練を復活させるものではないか。

 

[1]  区長の政治姿勢について

沖縄戦の終結の日とされる6月23日、沖縄では、沖縄戦60周年「慰霊の日」が開催され、この杉並からも知人たちが摩部仁の会場に向かいます。沖縄戦はこの日で終わるのでなく、生き残った日本軍の戦闘や、軍による住民虐殺や集団死はその後も続くことになるのです。
5月18日、新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝副会長らが代表をつとめる自由主義史観研究会が、「沖縄戦の『集団自決』(集団死)は軍の命令によるものでなかった」として、これを検証するために慶良間での現地調査や東京での研究集会、教科書記述の訂正要求などを行う「沖縄プロジェクト」を計画していることが地元紙に報じられました。
杉並でこれらの動きと連動して、沖縄を売り物にし、陰では「つくる会」運動をすすめる動きも現れ、多くのものが驚きと怒りをあらわにしています。
 慶良間、伊江島、読谷村などの集団死がありました。沖縄戦では、日本軍による「鬼畜米英」、「敵手に捕虜になると暴行されたうえ殺害される」という宣伝により追い詰められた人々がむごい死を強制されました。久米島、大宜味などの「住民虐殺」。多良間、与那国などの集団マラリア病死がありました。沖縄戦を体験した人々はいまもその苦しみから解放されず、語ることすらできません。こうした人々の心に土足で踏み込み、「集団死」に軍は関与しないものとして、住民が自発的に行ったものであるかのように沖縄戦をねじ曲げることは絶対に許せません。

@ 6月23日を前に、区長は沖縄戦についてどのように認識されているか伺います。

A 「集団自決は、軍の命令ではなく自発的なものであった」と「つくる会」教科書執筆者の藤岡信勝氏が主張し、現地調査に出かけ、6月4日東京で発表会を開きました。区長はご存知でしょうか。「集団自決」についてご存知でしょうか。また、どのような見解をもたれているか、伺っておきます。

[2] 区長による教育行政への介入と教育行政のあり方にについて

 第二に、区長の強権的な介入によって進められている教育行政のあり方についてです。 このかん、「日の丸・君が代」実施通知、杉並師範塾、ゆびとま方式、小中一貫校、区独自の学力調査、全校・全児童生徒参加の防災訓練などの重大な教育施策が次々とうちだされ、その実施が進められています。これらの施策は、いずれも現行教育法制の枠を超えた施策であり、その導入の是非については、教育現場との協議や慎重な検討が必要とされるものばかりです。なによりも、これらの施策には、教育活動にたずさわる現場教職員の大半が反対しており、保護者からも不安や反対の声があがっています。学力調査の民間産業への委託によるプライバシー流出の危険性や学校別達成率の公表による学校の序列化など、個々の施策の是非や弊害については、いずれ文教委員会で具体的に質問したいと考えております。

@ ここで問題にしたいのは、山田区長の教育施策が、現場教職員の意向をまったく無視し、管理職の意見さえ聞かず、教育委員会での詳しい報告や議論もないまま、区長−教育長のトップダウン方式によって強権的に推進されている点です。いま学校現場では「区長命令」という言葉をしばしば耳にします。すなわち、校長会・教頭会の場で、教育長や指導室長が「これは区長の強い意向である」「実施は既定方針である」と通告する。校長は教職員に納得のいく説明をすることができず、「区長命令だから逆らえない」と弁解したり、校長が職務命令をふりかざして有無を言わさず従わせることになっています。区長はこの現状を認識していますか。

A 区長は教育長に対する指揮監督権を有するのか否か。区長に伺います。

B 区長の進める「区長命令による教育行政」は、教育行政の独立性も、教育の専門性、政治的中立性も乱暴に踏みにじり、戦前型の教育行政と命令による教育を復活させるものではないのか。

C 本年2月に行われた学力調査についてみると、教育委員会で実施時期も具体案も報告されず、現場教員はもちろん校長にもまったく知らされていない昨年2月6日の時点で、区長が記者会見で「区独自の学力調査を実施」「1月に第1回の調査を実施」と対外的に発表しています。教育委員会や教育現場を飛び越えて記者会見を行った区長のお考えをお聞かせ下さい。

D 教育委員会には体力調査について伺います。体力調査は、いつ各学校現場に指示されたのか、お答えください。さらに、学校が決定し教育委員会に届け出た年間行事計画、年間授業計画を変更させる形で実施を命じるやり方は、学校の教育課程編成権を侵害する違法行為ではないのか、伺います。

E 教育長に対する指揮監督権を有しているのは教育委員会であって区長ではありません。区長が教育長に命令し、教育長がそれを口移しで校長に通告することは、地方教育行政法にも違反するものではないか。教育長は区長の命令に服従する義務を負うのか否か。自明のことと思いますが、あえて見解を明確に表明していただきたい。

F 北九州市教委による「君が代」不起立者への減給処分の取消しを命じた福岡地裁の判決においても、校長の任免権を有する教育委員会が、各学校での「国旗・国歌」指導の実施を監督することは、たとえ「指導」の名目で行われたとしても、校長の自主的判断と裁量権を奪うものであって、「不当な支配」にあたるとの判断が下されています。この間、すすめられてきた「区長命令」「区長の強い意向」をふりかざし既定方針として学校長に実施を命じるやりかたは教育基本法第10条違反であると思うが、どうか。見解を伺います。

 浜渦副知事偽証問題で、総辞職に追い込まれた石原知事は、その後辞職した浜渦氏の功績をほめたたえるとともに、教育委員会で浜渦副知事同様独裁と強制をほしいままにしてきた横山教育長を副知事に昇格させる新体制を発表しました。これこそ、追い詰められながらも石原都政が、何が何でも「つくる会」教科書だけは採択させようとする並々ならぬ姿勢を示すものです。山田区長も同様であり、教科書採択が中立・公平に行われるのか、厳しい局面を迎えていると指摘せざるを得ません。

[3] そこで、教科書採択問題について伺います。

 4年前教科書採択を前に、その任命に保護者や教育現場など党派をこえて強く反対された教育委員2名は、2001年教科書採択で「つくる会」扶桑社版教科書の採択を主張した方々です。今年度の採択に当たり、教育行政の独立性や中立性に責任を持つべき教育委員会委員長や教育長の位置は重大です。その歴史認識は今後の杉並の子どもたちの未来を左右するほど決定的です。そこで教育長の歴史認識を伺います。

@ 「つくる会」教科書は、「日本の緒戦の勝利は東南アジアやインドの人々に独立の希望と勇気をはぐくんだ」と記述し、資料の中に「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」「日本を解放軍と迎えたインドネシアの人々」など、写真入で載せています。アジア侵略戦争が、アジア解放のための戦争だったと考えるのか、教育長の見解を伺います。

A 検定で軍隊慰安婦や南京大虐殺を歴史から抹消したと総括する「つくる会」は、次は沖縄戦だとして冒頭に述べた動きを開始しています。唯一の地上戦が戦われた沖縄では、「集団死」や日本軍による住民虐殺が起こり、60年経った今もその傷は癒えることはありません。米軍が最初に上陸した慶良間列島の渡嘉敷島では329人、座間味島171人、慶留間島53人の集団死をはじめ、伊江島100人、読谷村84人以上、喜屋武半島数百人などが起こり、日本軍による住民殺害は、渡嘉敷島11人、久米島20人、伊江島6人、伊是名島5人、大宜味村約30人、喜屋武半島24人、久志村約40人、今帰仁村5人など、多くの住民がスパイ容疑などで殺されました。沖縄戦では軍隊は自国の住民すらも守らないことを示しました。沖縄戦を貫いているのは、国を守るために当時、渡嘉敷島や座間味島の人々の言葉に出てくる「玉砕」する思想です。区長が称える特攻隊の思想です。「生きて虜囚の辱めを受けず」「軍民一体、最後の一兵まで戦うこと」「軍の足手まといにならない」など、こうした軍の規律・命令が、村長や校長・訓導によって住民に徹底的に行われたことはいうまでもありません。直接・間接的に軍による強要があったことを示すものです。だからあれほどの集団死があり、住民虐殺が発生したのです。いま「つくる会」・新自由主義史観は、こうした日本軍による住民虐殺や「集団自決」の事実を抹殺し、沖縄戦の事実をねじ曲げようとしています。そこで、沖縄戦に対する教育長の歴史認識を伺います。

B さらに歴史教科書では、大日本帝国憲法が国内外から賞賛された民主的憲法として記述されています。大日本帝国憲法と日本国憲法の決定的違いは、国民主権・民定憲法なのか、天皇主権・欽定憲法なのかのという点にあります。扶桑社版教科書はこれをあいまいにし、大日本帝国憲法が良い憲法だったとしています。6月4日の東京新聞には、治安維持法違反で逮捕・獄死された菅野牧師の記事が掲載されています。42年6月から43年夏までに、計134人の牧師や教師たちが検挙され厳しい取調べのすえ75人が起訴され、獄死が相次いだとされています。このように、明治憲法下の治安維持法(1925年制定)などによって、国民の権利は抑圧され、おびただしい人々が逮捕、拷問、獄死を強制されました。「つくる会」教科書には、この事実が書いていません。
 公民教科書では、日本国憲法が「押し付けられた」憲法であり、現憲法改定につなげる記述がなされています。国民主権の採用を要求していたポツダム宣言を日本が受諾して降伏をした以上、憲法の改正は必至だった経過を無視しています。とくに、天皇制の暗黒支配が崩壊し、労働運動や民主化を求める革命的動向に対し、天皇制の現体制を維持するために、可能な限り民主的憲法を認めざるを得なかった支配階級の判断によるものであることが隠されています。
そこで伺いますが、大日本帝国憲法は民主的なよい憲法だったのか、教育長の見解をお答えください。また、教科書の中で憲法の改定など政治的主張を行う教科書について、憲法・教育基本法を守るべき教育長はどのように思うか、伺います。

C さらに、日本国憲法を教える場合の「国民主権」「平和主義」「基本的人権」の三原則が否定されています。国民主権を教える際、「国家主権」を重視し国家意識をもたせようとしています。また、「国民」は、「私たち一人ひとりのことではく、国民全体をさす」と述べ、主権者である国民を、実際に自分の意志を表明できる具体的な個人としていません。「基本的人権」では「公共の福祉と国民の義務」にすり替えています。「基本的人権」をないがしろにして、その中で「国防の義務」を説いているのです。これは、現憲法の改正をねらい子どもたちを戦争に誘導するものだと思うがどうか、教育長の見解を伺います。

D チャンネル桜は、最近次のようなチラシをまき始めました。「こんな教科書で学習しています」として、東京書籍の国語教科書に掲載されている在日朝鮮人の作品を攻撃するチラシです。区教育委員会は知っていますか。
チラシでは、「つくる会」教科書採択を要求する地方議員1000人集会を写真入りで報じ、他社の教科書を攻撃するとともに、「チャンネル桜TV」での山田区長の写真を載せています。教科書採択の重大な時期に、教育委員会が「チャンネル桜」の主催する集会を後援するということは採択の公正・公平に疑念を抱かせるものです。この取り消しを求めますが、いかがでしょうか。教育委員会の釈明と見解を求めるがどうか。

[4] 9.4総合防災訓練と生徒・保護者・教職員の動員について

先の都革新の質問で、区の国民保護条例制定の動きと、防災訓練との密接な関係が明らかとなりました。そこで伺います。

@ 武力攻撃事態対処法は、「武力攻撃が予測される事態」から自衛隊の防衛出動を規定し、先制攻撃をも可能とする戦時立法そのものです。国民保護計画の名による総動員体制づくりは、それ自体、戦争を挑発・誘発する行為にほかなりません。防災教育や防災訓練に名をかりて武力攻撃事態・緊急対処事態を想定した啓発や訓練を行うことは、憲法・教育基本法のもとで許されるはずはないと考えますが区長の見解を伺います。

A  杉並区21世紀プランや五つ星プランの「安全で災害に強いまちづくり」に言う「災害」には、震災や風水害だけでなく、戦災すなわち国民保護法が規定する「武力攻撃災害」も含まれるのでしょうか。そこで言う「防災態勢」「防災訓練」「防災教育」には、国民保護計画にもとづく訓練や啓発も含まれるのでしょうか。五つ星プランの「危機管理体制の強化」に言う「不測の緊急事態」には、武力攻撃事態法−国民保護法に言う大規模テロなど緊急対処事態も含まれているのでしょうか。区の国民保護条例が策定されたあかつきには、戦災を含んだ想定となるのでしょうか。答弁を求めます。

B  教育改革アクションプランにいう「防災教育」「防災訓練」、05年度教育委員会重点施策の「防災教育」の「防災」には、「武力攻撃災害」も含まれるのでしょうか。 また、杉並区は、災害対策基本法の災害の定義に言う「爆発」には、武力攻撃やテロによる「爆発」も含まれるとの解釈をとるのでしょうか。杉並区防災対策条例に規定する災害の定義、「地震、豪雨、大規模な火事等による被害」の「等」の中には、武力攻撃災害も含まれるのでしょうか。杉並区職員非常呼集要綱では、災害が発生した場合、発生する恐れがある場合に、区長が必要あると判断すれば非常呼集が発令できることになっていますが、区長は武力攻撃災害の場合にも非常呼集を発令するつもりでしょうか。

C  6日の答弁では、全校の児童生徒を動員する9月4日の「防災訓練」には、今後自衛隊の動員も検討されることが示唆されています。国民保護法のもとでは、武力攻撃事態をも想定した戦時訓練ではないのか。「つくる会」教科書をおしつける一方で、中学生に「国のために命を捧げる」思想を刷り込み、防災教育と称して国防教育を行い、防災訓練と称して軍事教練を復活させるものではありませんか。教育委員会が重点施策でうちだしている、災害時に区民を守る「中学生レスキュー隊」の結成とは、現代の「鉄血勤皇隊」や「ひめゆり学徒」となる恐れがあります。「総合震災訓練」ならびに「中学生レスキュー隊の結成」をただちに撤回することを求め、区長の見解を伺います。

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