HOME

 > コスモス・バックナンバー案内 > 178号
新コスモス
2004.12.1
第178号

INDEX
(第1面)11.7集会報告
(第2面)生活援助介護うばうな/住民の会が11.7労働者集会に参加/荻窪で日米労働者交流/ファルージャ大虐殺弾劾
<(第3面)韓国・民主労総と交流/教育基本法の改悪をとめよう/国鉄1047名の解雇撤回を/沖縄・辺野古沖 米軍海上基地建設阻止!/動労千葉の物資販売にご協力を
(第4面)すぎなみ人物列伝 安藤登志子さん@/白井佳夫の映画村通信 大林宣彦監督「理由」/コスモス歌壇/こんにちは ふろむあすです/おしらせ


PAGE 1
11.7労働者集会
戦争と大失業に立ち向かう日米韓労働者の国際的団結
新しい歴史の扉ひらく
 

壇上に並んだ日米韓の労働者(左)と総立ちで拍手を送る参加者(11月7日 日比谷野外音楽堂)

11月7日、日比谷野外音楽堂は、日米韓の闘う労働者の熱い連帯感に包まれました。
 国鉄千葉動力車労働組合など3つの組合が呼びかけて開かれた11・7全国労働者総決起集会に3600人を超える労働者民衆が集まり、会場席は満席で立ち見も大勢。韓国からは「世界最強の労組」・民主労総、アメリカからは「ブッシュもケリーもノー」を掲げた10・17ミリオン・ワーカー・マーチ(百万人労働者行進)を組織したILWU(国際港湾倉庫労働組合)の代表派遣団が参加。彼らの発言に会場全体が沸き立ち、総立ちの鳴りやまない拍手。日米韓の労働者の思いは完全に一つであること、世界の労働者が一つになれば、ブッシュや小泉なんかあっというまに倒せるし、戦争も失業もない社会をつくることができる−−このことを誰もが確信しました。
 都政を革新する会は、新しい歴史の扉を押し開いた日米韓労働者の国際的団結の力と結び、新たな労働者の政党をめざします。

長谷川ひでのり
11・7集会会場の日比谷野音でILWU組合員と肩を組む長谷川さん。反戦と労働者の権利ー目指すものは同じ。あっという間に友人になる。

教育労働者の発言より
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
 

昨年10月23日、東京都教育委員会は通達を発し、「日の丸」を向いて起立し「君が代」を斉唱するよう命令し恫喝しました。「日の丸・君が代」は第2次大戦中の侵略戦争、日本軍国主義の二つのシンボルです。戦争の悲惨な出来事が日本国憲法を生み、戦争を放棄しました。それ以来、私たちは「教え子を再び戦場に送らない」と固く決意しています。日本国憲法第19条は思想・良心の自由を規定しています。私たちこそ合憲であり、都教委こそ違憲です。
 今年8月、都教委は再発防止研修で私たちの「思想改造」を企てました。しかし、会場内外の大衆闘争により、彼らの悪意に満ちたもくろみは完全に破産しました。
 私たちは臆病者ではなく誇り高い勇気ある教育労働者です。抑圧と処罰で私たちの反撃を止めることはできない。闘いは不当処分撤回まで続くでしょう。

アメリカの労働者の発言より
ILWUローカル10
ジャック・ヘイマンさん
 労働者は二つの戦線の戦いに直面しています。内に向けての戦争と外へ向けての戦争です。
 労働運動の危機の中で、豊かな工業諸国の何百万もの労働者が健康保険もなく、職もない。ホームレスがますます増えています。アメリカの学校では民営化が進行しています。日本では、生徒や教師に「日の丸」に向かって起立し、天皇の歌「君が代」を歌うことを強制することで、学校を日本の再軍事化の道具とする攻撃が激化しています。日本の自衛隊は、ブッシュの「有志連合」に参加し、イラクに展開し石油利権を防衛している。日本帝国主義の再建への道を敷いているのです。
 労働者は国際的な労働者の連帯行動を通じて団結することで、このような攻撃から自分たちを守ることができます。労働組合を破壊する民営化反対! 全世界の労働者の国際連帯万歳! 万国の労働者団結せよ!
韓国の労働者の発言より
民主労総ソウル地域本部事務処長
パクサンユンさん
 民主労総は、それぞれの国で吹き荒れている労働者に対する攻撃と民営化攻撃を阻止し、資本の利益のためだけに推進されるFTAなど世界化攻撃を阻止する闘いが重要だと考えます。そのためには、内に向かっては階級的労働運動の団結を図り、外に向かっては労働者の国際連帯を実現することが必要です。この場は、そうした意志を、日本、アメリカ、韓国の労働者が確認する意義深い場だと考えます。資本の攻撃を粉砕するため、それぞれの国で階級的に団結して闘いましょう。
 特に、韓半島は軍事的緊張と戦争の可能性が高まっている地域です。日本とアメリカの資本が、政府の保守反動化攻撃が、状況を一層悪くしています。戦争に反対し、平和を守るためにも、労働者の国際連帯が強められる必要があります。戦争を阻むため、日韓米労働者の国際連帯を強化しましょう。労働運動の階級的団結万歳!

 

PAGE 2
生活援助介護うばうな
住民の会、国・区と交渉に手応え
 

10月29日、介護と福祉を要求する杉並住民の会(八木ケ谷妙子代表)は、14日の厚生労働省交渉に続いて、杉並区に対する要請交渉を行いました。
 来年の介護保険制度見直しで、大多数の高齢者から生活援助介護が打ち切られようとしています。要支援や要介護1の「軽度」の高齢者に生活援助介護は不要であるとし、かわりに筋力トレーニングをやらせようというとんでもない案が出されているのです。
 一人暮らしの高齢者にとって、週1回の買い物や掃除などの生活援助介護は、本当にいのちがかかった切実なものです。「生活援助介護を奪うな」という住民の会の高齢者の必死の訴えを区も無視できず、「見直しで画一的な利用制限などがなされるべきでない」という意見を都に出していると答えました。

交渉参加者の声
 介護保険見直しの問題は、高齢者にとって現在利用している生活援助介護が利用できなくなるという問題であり、参加者の発言も必死だった。私たちの生活のかかった問題。がんばりましょう。(阿佐谷・工藤満江さん)
 今回の見直しは、高齢者に与える影響も非常に大きいので、厚労省や区も私たちの必死の追及を無視できず、手応えを感じた。特に区との交渉では、会結成以来4年間ねばり強く活動してきた成果を感じた。(川久保惠美住民の会副代表)
住民の会が11・7労働者集会に参加

集会に参加した住民の会会員の話

 「韓国やアメリカの代表の発言を同時通訳で聞けてよかった。世界的な労働組合の集まりで、戦争や福祉の問題でどれほど真剣に闘っているのかが聞けて楽しかった。日比谷野音を満席にする参加数だったので充実感があった。会場カンパが百万円を超えたのはびっくりした」(高井戸東・川久保惠美さん)
 「日本だけでなく、アメリカでも韓国でも、戦争の問題、労働者の権利迫害、福祉切り捨ての問題が共通の問題になっていることがわかった。会場が満員で、熱のこもった集会でした」(宮前・山田康恵さん)

荻窪で日米労働者交流

「日の丸・君が代」強制反対の教育労働者が呼びかけ

米・日で求められる労働者自身の政党

 

11月4日夜、荻窪で、11・7労働者集会に参加するため来日した米ILWUローカル(サンフランシスコ)のジャック・ヘイマンさんらを囲んで、交流集会が行われました(写真)。集会を呼びかけたのは「日の丸・君が代」強制に反対する東京西部を中心とした教育労働者です。都革新からは長谷川代表、けしば区議、新城区議、北島事務局長らが参加しました。
 ヘイマンさんは「日の丸・君が代」強制に反対して闘っている日本の教育労働者に敬意を表したいとあいさつ。通訳をはさみ、日米の労働運動をめぐる活発な質疑応答が行われました。
 長谷川さんはアメリカで「ブッシュを倒せ、ケリーもノー」を掲げたミリオン・ワーカー・マーチMWMについて触れ、「労働者自身の新しい党が必要になっているのでは」と質問。ヘイマンさんは「グッド・クエスチョン(いい質問)」と応じ、MWMという労働者の要求を掲げた運動が、最終的には労働者党の創出につながっていくと答えました。そして労働者の利益を代表する党は帝国主義戦争に反対し、労働者のストライキに賛成する党であり、すべての人に健康保険を保障し、移民労働者の権利を守り、公立教育の無料化などを要求する党だと明快に述べました。
 また、アメリカの教育労働者が、少人数学級を維持するためストで闘い、生徒や地域の住民が支持してともに闘っていることも紹介され、教育労働者を勇気づけました。
 ヘイマンさんは、「今回のような交流は実に意義深い。今後も重ねていこう」と述べ、「二次会」も大いに盛り上がりました。

ファルージャ大虐殺弾劾
虐殺を支持した小泉首相を許さない!

現代の南京大虐殺

アメリカの国が真っ二つに割れた大統領選挙。かろうじて勝ったブッシュ大統領がまっさきにやったこと―ーそれはイラクのファルージャという都市を住民丸ごと殺しつくし、破壊しつくし、廃墟にする残虐きわまりない戦争のエスカレートでした。「テロリストをせん滅する」と称し、電気や水道などのライフラインを全部切断し、病院を攻撃して医師や病人を殺し、無差別の空爆、発砲で子ども、老人、女性を見境無く虐殺する、これはまさしく現代の南京大虐殺です。
 米軍によって虐殺されたイラク民衆の数は、アメリカの研究者の発表でもすでに10万人(!)を超えています。その大半は女性と子どもです。このイラク民衆虐殺のエスカレートを全面的に支持しているのが小泉首相です。「(ファルージャ攻撃を)成功してもらはなくてはならない」―ここまで明確にファルージャ大虐殺を支持しているのは、世界の首脳の中でも小泉首相くらいです。イラク人の大虐殺を支持して何が「イラク人のための復興支援」か。ブッシュとコイズミこそ世界最悪の戦争犯罪人です。

ブッシュ・小泉倒せ

 自衛隊派兵を続けるため、香田証生さんの命を平然と奪った小泉首相は、「自衛隊がいるところは非戦闘地域」と強弁して派兵期間延長を決定しようとしています。さらに治安部隊を増派して現在600人の部隊を1000人にしようとしています。サマワの自衛隊基地に迫撃弾が撃ち込まれ、自衛隊が建てた「占領記念碑」も爆破されました。自衛隊撤退を求めるサマワ市民のデモも起き、米軍と一体の自衛隊への怒りが叩きつけられています。
 イラクのレジスタンス勢力は、ファルージャの大虐殺に怒りを燃やし、米軍に対して必死の反撃をおこなっています。反米・反占領の蜂起はイラク全土に広がっています。日本の労働者・住民は、イラクの民衆と連帯し、今こそ渾身の反戦闘争に立つときです。
11月7日、日比谷に集まった日米韓労働者の国際的団結の力をさらに強め、ブッシュ・小泉を倒そう。自衛隊を撤兵させよう。

 

PAGE 3
韓国民主労総と交流
 ゼネスト宣言の歴史的大会に参加
けしば誠一
 

11月13日から14日にかけて、ソウルで開かれた全国民主労働組合総連盟(民主労総)全国大会に動労千葉の訪問団の一員として参加しました。ソウル市中心街を埋め尽くす10万人の労働者が非正規職化反対、国家保安法撤廃、労働者の生存権を掲げて11月26日のゼネストを宣言する歴史的瞬間を目の当たりにしました。今回の訪韓は、11月7日に日比谷で開かれた日韓米労働者連帯集会に参加した民主労総ソウル本部への答礼の意味もありました。
 13日午前ソウル到着。この日は、34年前に軍事独裁政権下の韓国労働者階級の悲惨な現実を身を焼いて弾劾したチョンテイル烈士の命日で、まずその現場で黙祷をささげました。午後、ソウル駅前にWTO米輸入自由化に反対して集まった5000人の農民・労働者・学生の全国民衆大会に参加し、大統領府に向かうデモをはばむ機動隊との激しい闘いにも加わり、胸熱く連帯を誓いました。
 夜は8時から東国大学構内に続々と労働者が集まり、前夜集会が2万人を超す盛況で開催されました。激しいアジテーション、会場を一体にさせるすばらしい歌声、ダンスで最高潮に。長期ストライキ労組が資金集めのために開いた屋台では、数千人の労働者が遅くまで交流を続けました。民主労働党党首のイヘギョン氏とも握手を交わすことができました。
 14日の全国大会には10万人の労働者がバスや地下鉄で大会に結集しました。警察は大会を前に公務員労組のゼネスト投票箱を奪い、公務員労組の委員長らを指名手配するなどの弾圧に出てきましたが、大会はこれを吹き飛ばしました。指名手配されている組合リーダーも大会に参加し、熱烈なアピール。民主労総指導部が壇上に並び、58%の投票と68%の賛成でゼネストが可決したことを発表、歴史的ゼネストを宣言しました。
 公務員労組は15日から労働基本権を求めてストに入ることを決めました。大会後、その支援に駆けつけるソウル本部の仲間たちと再会と連帯を誓い合い、ソウルを後にしました。

 教育基本法の改悪をとめよう
 「日の丸・君が代」被処分者・被解雇者先頭に5500人が集会
 

11月6日、日比谷野外音楽堂で開かれた「教育基本法の改悪をとめよう!全国集会」に参加しました。日教組、都高教などの教育労働者をはじめ、全国から5500人の労働組合員・市民が集まりました。今年の春、「日の丸・君が代」強制を拒否した教育労働者のたたかいに、全国の心ある人々が支援・連帯の思いを寄せていることが形となってあらわれていました。
 「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」「不当解雇撤回を求める被解雇者の会」が登壇すると、会場からはひときわ大きな拍手がわき起こりました。4日に荻窪で被処分者の教育労働者らと交流したアメリカのジャック・ヘイマンさんらILWU組合員は、立ち上がって会場から拍手を送りました。現場教育労働者の闘いこそ、石原知事と都教委の「日の丸・君が代」強制と教育基本法改悪をうち破る最大の力です。
 来年春の卒入学式が勝負です。集会では、ここで3ケタの「君が代」不起立者を生み出そうと呼びかけられました。教育を戦争屋の石原知事と都教委の横山・米長氏ら極右勢力の手に明け渡すわけにはいきません。都革新は闘う教育労働者を全力で支援し、ともに闘います。(北島邦彦)

国鉄1047名の解雇撤回を
団結祭りに参加

 10月31日、「国鉄労働者1047名の解雇撤回、鉄建公団訴訟勝利、戦争と失業NO」を掲げた団結まつりが亀戸中央公園で開かれ、1万3500人が参加しました。国労・全動労・動労千葉の闘争団・争議団と支援組合に、「日の丸・君が代」処分を受けた教育労働者が合流。闘う労働者の団結の力を示しました。都革新も出店を出し、闘争団、争議団を激励し、交流を深めました。

沖縄・辺野古沖 米軍海上新基地建設阻止!
海底掘削工事強行の暴挙許すな
体はって海を守る現地の闘いを支援し、ともに闘おう
 

11月16日、那覇防衛施設局は、名護市辺野古沖で米軍海上新基地の建設に向けたボーリング地質調査の掘削作業を開始しました。辺野古漁港前には200人以上の住民、労働組合、市民団体が集まり、抗議の船とカヌー十数艇が命がけの海上抗議を繰り広げました。
 沖縄の人々の命の海を破壊し、イラク・中東、北朝鮮・中国への侵略戦争のための巨大軍事基地建設をごり押ししているのは、小泉政権です。現地の命がけの闘いにこたえ、小泉政権を倒そう。

連日抗議行動を闘う辺野古現地にカンパを送ろう!
カンパ送り先 ヘリ基地反対協議会
郵便振込番号  01700−7−66142

 

PAGE 4

大林宣彦監督の「理由」

107人が証言する殺人事件の謎

大林宣彦監督が、35ミリの映画フィルムと、ビデオによる撮影を併用して、「理由」という2時間40分の異色作を作った。宮部みゆきが朝日新聞に連載した、直木賞受賞の型破りの構想の小説の映像化である。
 1996年の9月、江東区深川の交番の巡査(村田雄浩)のところに、一人の少女(新人寺島咲)があることを通報してくる。それをきっかけにこの映画は、その2か月前に荒川区内の北千住にある超高層マンションで起こった、4人家族惨殺事件のことを描いていく。
 そのマンションの管理人(岸部一徳)や、119番の電話をかけた住人(大和田伸也)が、その日のことをカメラに向かって証言し、同時に事件の時のシーンが再現される。こういう形でこの作品は、何と107人の俳優たちが演じる関係者の証言をつうじて、この事件の真実を探っていくのである。
 俳優たちはノーメークアップで、その役を演じる。まるでテレビのドキュメンタリーに出てくる人のように。そしてテレビの再現ドラマのように、事件が起こった時のことが演じられていくのだ。まるでテレビカメラが、それを追っかけてでもいくような形で。
 やがて意外なことに、惨殺された一家4人の家族は、実はまったくの他人同士で、そのマンションの部屋の住人は、なぜかいれかわっていたことが、判ってくる。それには「競売」とか、「執行妨害」とか、「占有屋の存在」といったことが、からんでいることも。
 こうして、何組かもの家族や個人の人間関係をつうじて、現代日本の奇妙で不条理な現状というものが、この事件を中心にだんだんと、浮かびあがってくるのだ。それらのことの総体を、大林宣彦監督組の映画のカメラが、スケール大きくとらえていく、という形で。
 この作品は、まずハイビジョン転換版がWOWOWでテレビ放映され、35ミリ映画フィルム転換版が映画館で上映される、という公開方法が、とられた。両方を見くらべると、また別種の面白さが生まれてもきそうである。
※12月18日新宿武蔵野館

16

文人がつどう温泉旅館で生まれ育つ

天沼 安藤登志子さん(1)

米軍・自衛隊に奪われた入会地をとりもどす北富士闘争の支援者であり、「北富士の女たち」「草こそいのち」「北富士・入会の火」などの著者である安藤登志子さんは、ロシア革命が起きた1917年(大正6)に生まれた。実家は伊豆・天城湯ケ島の老舗温泉旅館「湯本館」
 「湯本館」は、私の祖父が明治5年(1872)ごろにはじめました。湯ケ島で一番最初につくられた温泉旅館です。祖父は私が生まれる3年前に亡くなりましたが、大変な酒飲みだったようで、旅館に滞在していた同じく大酒飲みの歌人・若山牧水(1885〜1928)とよく明け方まで飲んでいたそうです。
母は私が2歳くらいの時にスペイン風邪で死にました。父は母の死をきっかけに大本教(この世の「立替え立直し」を叫ぶ教派神道系の新宗教。1920〜30年代にかけ巨大な民衆的宗教教団に成長)に入りました。京都の大本教本部の宣伝師になって全国を回り、朝鮮の方まで行っていました。それで父は家にはほとんどいませんでした。大本教は1935年(昭和10)に不敬罪・治安維持法違反で大弾圧を受け(「大本教事件」)、警察は父を捕まえようと家に土足で踏み込んできました。その時は父は不在で、祖母と母(継母)が代わりに引っ張られていきました。 私が生まれた所は田舎でしたが、旅館には小説家、歌人、学者などいろんな人が来るので、小さいときからその人たちを通して世の中が見えました。そのことが、後に私が田舎から飛び出していくきっかけにもなっています。
湯本館は川端康成の「伊豆の踊子」執筆の宿として知られている。
川端康成(1899〜1972)は、祖母がよく世話をしていて、私が10歳くらいまで毎年来ていました。四畳半の静かな部屋で小説を書いていて、私はその後ろに座って「赤い鳥」「こどものくに」などの児童書や絵本を読んでいました。川端は机いっぱいに原稿用紙を広げて静かに書いていましたが、時々書き間違えると「はっ」と大きな声をあげてました。この部屋は今も当時のままです。
 川端が逗留していたこともあって、湯ケ島には島崎藤村、岸田国士、尾崎士郎、宇野千代、梶井基次郎、三好達治など多くの作家が訪れています。宇野千代さんは地元の青年団といっしょに村芝居をやったりしてました。彼女は10センチもあるようなハイヒールを履いていて、いつか折れるのではと見ていたのを覚えてます。
静岡県立大仁高等女学校に入学し寄宿舎生活を送る。
女学校に入った時はすでに中国での戦争が始まっていて、「軍国花嫁」になることを教えるような教育になっていましたが、私はそっぽを向いてました。
女学校では寄宿舎に入りましたが、熱海や伊東の大きな温泉旅館のお嬢さんが多く、みんな贅沢なんです。冬にはみんな立派なオーバーコートを着ていました。それで冬の寒い日に父が寄宿舎を訪ねてきた時、私にもオーバーを買ってとねだりました。すると父は「ここの学校の生徒全部がそんなコートを着ているのか」と尋ね、私が通学生は着ていないと答えると「それみろ。その通学生が全部着たらおまえにも買ってやる」と言うのです。「やられたな」と思いましたね。父はそんな風に私には厳しかったけど、私はそういう父の言葉に教育されていたんです。父は46歳の若さで死んでしまいましたが、今でもいい父親だったなと思うのです。
(つづく)聞き手 編集部

 こんにちは ふろむあす です

考えよう 農業のこと食べることE

野菜の価格って何だ?!

野菜の価格が上昇している。猛暑、台風、長雨で収穫量が減っているためだ。一時より少し「安定」とのことだが、秋の作付け時期の天候不安定によるものだから、年末から年明けにかけて「値上がり」は続くだろう。今、一般の畑では、病気予防のために消毒剤がたくさん使われているそうだ▼天候が悪い時は、どの生産者も不作だ。市場価格が跳ね上がったとしても多数の生産者の懐が温かくなるわけではない。逆に豊作の時は価格が暴落し、手間賃にもならないとそのまま畑に埋めてしまうという話をよく聞く。生産者はどっちに転んでも泣くしかない▼近代農業政策は、農業を都市消費者向けの換金作物作りに誘導してきた。多品種作付け型の有畜複合農業が廃れ、レタスやきゅうり、キャベツ、大根などの単品作付けが奨励された。その結果、消毒剤や農薬、化学肥料が多投され、野菜の味も栄養価も本来のものを失った。そして生産者は、市場に左右され支配される。農業生産は大きく天候にかかっており、どんなに農薬などを使っても、できないときはできない▼食は人間生活の根本をなす。だからこそ農業は大切にされなければならない。戦前、大凶作の時、東北の農民は、子どもたちを売らざるをえなかった。小作制度は廃止されたが、現代の農民も近代化・機械化の中で多額の借金を抱えざるをえず、冬は出稼ぎという人が多い。私たち消費者・労働者も、食べやすいトマトやきゅうり、レタスばかりを求めるのではなく、農業生産者の立場から私たちの食のあり方を考えるべきではなかろうか。農業生産者との連帯が掲げられてこそ社会は変わる。


反核・反原発講座
◆「反核・反原発の課題」
◆話・天笠啓祐さん(元『技術と人間』編集長)
◆12月13日(月)19時〜
◆阿佐谷地域区民センター
◆杉並原発問題研究会090・8042・8287

無罪獲得・国労再生!国鉄1047名闘争勝利!・全国集会
◆12月19日(日)13時半
◆星陵会館(地下鉄・永田町下車)
 

定期購読をお願いします。
定期購読料1年・1200円(送料720円)

定期購読お申し込み先

投稿先も同じです

〒168-0074 杉並区上高井戸1−32−40
都政を革新する会・新コスモス編集部
郵便振替 00120−5−418390

電話/FAX 03−3329−8813

E mail メール 購入申し込み・投稿 E mail E-mail